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ベトナム戦争を様々な視点で表現した『ディン・Q・レ展』、7月に森美術館で開催

2015年04月15日 17:10  CINRA.NET

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ディン・Q・レ『無題(パラマウント)』2003年 Cプリント、リネンテープ 所蔵 : Ann and Mel Schaffer Family, New York
ベトナム人アーティスト、ディン・Q・レの個展『ディン・Q・レ展:明日への記憶』が、7月25日から東京・六本木の森美術館で開催される。

ディン・Q・レは、1968年にベトナム・ハーティエンに生まれたアーティスト。10歳の頃にポル・ポト派の侵攻を逃れるために渡米した後、写真や立体、映像など様々な表現媒体を用いて、戦争による物理的な破壊だけではなく、名もなき人々の痛みや喪失の感覚に迫った作品などを発表している。なお、レはこれまでシドニーのシャーマン現代美術基金、アメリカ・ニューヨーク近代美術館やアジア・ソサエティでなどで個展を開催しているほか、『メディアシティ・ソウル2014』『ドクメンタ13』『シンガポール・ビエンナーレ』『第50回ヴェネチア・ビエンナーレ』などの国際展にも参加している。

森美術館が東南アジア出身アーティストを紹介する初の大規模個展となる同展では、日本の戦後70年、ベトナム戦争終結から40年という節目の年に、歴史を再考・議論する場を提供するという。同展では、ベトナムの伝統的な「ゴザ編み」を取り入れ、裁断した写真を格子状に編み込んで作られるレの出世作となった『フォト・ウィービング』シリーズをはじめ、市井の人々への綿密な取材をもとに制作した映像インスタレーション作品、ベトナム戦争中にアメリカ軍がまいたとされる枯葉剤と結合双生児をテーマとした『傷ついた遺伝子』シリーズ、ベトナム戦争をモチーフにしたサバイバルゲームを行う日本人男性への取材をもとに制作された新作映像などが展示される。