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Fルノー2.0 NECで初優勝を飾った笹原右京に聞く。「今後も全力でチャンスを活かしたい」

2015年04月15日 12:51  AUTOSPORT web

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4月11日~12日に、ブランパン耐久シリーズ第1戦モンツァのサポートレースとして開催されたフォーミュラ・ルノー2.0 NECシリーズで、見事初優勝を飾った笹原右京。その喜びの声と、自身の将来についてモンツァで聞いた。

 笹原は日本のカート界で多くのタイトルを獲得した後、2009年にROTAX MAX世界一決定戦で日本人として初優勝。レーシングカート界では快挙と言える成績を残した。その後四輪にステップアップし、2013年からフォーミュラ・ルノー2.0 ALPSに挑戦。14年はNECシリーズに挑戦したが、最高位は2位。今季は悲願の初優勝を目指し、トップチームのひとつで上位フォーミュラにも太いパイプを持つ、ARTジュニアチームからの熱心なオファーに応え、NECのスポット参戦、最上位カテゴリーであるユーロカップのフル参戦というシーズンに臨むことになった。

 迎えたモンツァでのNECシリーズ開幕戦では、2番手スタートとなった第1レースで後半逆転。見事自身初のフォーミュラ・ルノー初優勝を飾り、さらに翌日の第2レースでは2位に。フル参戦するユーロカップに弾みをつけた。そんな笹原に、優勝の喜びを聞いた。

──第1レースで優勝、そして第2レースでは2位と素晴らしいラウンドになったと思います。2回ともポディウムを獲れるという手応えはありましたか?
笹原右京(以下S):ライバルたちがかなりの気迫で挑んできていたのは良く分かっていたので、冷静にポジションを落とさないように心掛けました。第1レースはライバルのミスやペナルティで助かった部分もありますが、マシンコンディションがかなり安定していたので、その点ではどちらのレースでも不安はありませんでした。モンツァはストレートが大半を占めるコースなだけに、ダウンフォースの使い方にも集中しました。四輪フォーミュラでの初勝利だったので、このモンツァでのレースは何よりも良いシーズンのスタートになりました。

──30台のマシンが参戦するフォーミュラ・ルノー2.0 NECでは、スタートからかなり激しいバトルが展開されますが、日本人のメンタリティからみてヨーロッパのドライバーはアグレッシブだと感じますか?
S:カート時代から活動の場所はほとんどが外国だったので、僕にとってはこれがごく普通の状況ですね。ヨーロッパのレースはただ激しいだけではなく、彼らはしっかりとレギュレーションを守った上でアタックしてくるので、レースとしてもドライバーとしてもフェアだと思います。それに短いレースの中で自分のパフォーマンスを最大限に出し切ることや、勝つことにとても貪欲ですから、1ラップめからものすごい気迫で飛び込んできます。彼らから学ぶことも多いですし、彼らと一緒に成長していきたいです。

──日本人ドライバーとして、ヨーロッパのレース界で生き残るには何が必要だと思いますか?
S:速さ、語学力、フィジカル、メンタルが強いのは最低限だと思います。それはどのドライバーも努力していることなので、僕も当然だと思っています。それに加えて資金力が重要な位置を占めています。僕がこうやってヨーロッパで好きなレースで戦えることを応援してくださっているスポンサーの皆さんのおかげだと思っています。

──今季笹原選手が所属するARTジュニアチームは、FIA会長ジャン・トッドの息子ニコラス・トッドが運営する名門ARTのジュニアチームですが、どんなチームですか?
S:ARTからシートのオファーを頂いて、サインをしたのが本当にシーズン開幕直前だったので、準備期間も短くかなりバタバタしましたが、僕にナンバーワンとしてのポジションを与えてくれて、チーム一丸となって支えてくれているので、ポディウムを狙えるように頑張っています。

──そもそもヨーロッパに拠点を置こうと思ったのはなぜ?
S:フォーミュラに限らずハコ車のカテゴリーでも、ヨーロッパには世界中のトップドライバーが集います。カート時代にヨーロッパのレースを体験して、僕自身のパフォーマンスが世界のトップのなかで発揮できるのか、僕の実力がどの位置にいるのか、チャレンジしたいと強く願っていました。僕が所属するARTは今季からメルセデスでDTMにも参戦します。ハコの中ではDTMにいちばん魅力を感じていますし、レベルの高さやレースの面白さにもすごく興味がありますので、ぜひともシーズン中にレースを観にいけたらいいな……と思っています。もちろんGP3やGP2も目標としていますが、フォーミュラのみに限らず、幅広い視野を持ってヨーロッパ生活を楽しみながら、勉強したいと思っています。

──今季の目標は?
S:タイトル獲得、そしてユーロカップのシリーズ戦の優勝です。しかし、どのドライバーにもあり得ることですが、資金力がどこまで続くか分かりません。全力でこの与えられたチャンスを活かしたいと思います。現在参戦しているシリーズで優勝すると、ワールドシリーズに参戦枠が取れるので、まずはそれを目指したいですね。日本から応援してくださるスポンサーの皆様にはタイトルを獲ることで恩返しをしたいと思います。地元の群馬県沼田市の市長さんをはじめ、多くの方から暖かい応援をして頂いて、とても心強いです。

(Midori Ikenouchi)