WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに今年から参戦するニッサンは、6月のル・マン24時間に向けて、今後は走行距離を稼ぐ耐久テストに注力していくのだと明かした。
ニッサンは今年から、WEC/ル・マンの最高峰カテゴリーとなるLMP1クラスにGT-R LMニスモを投入。ライバルたちのコンセプトとは一線を画するFFレイアウトを採用するなど注目を集めているが、開発プログラムの遅れなどからシリーズ開幕2戦は欠場することを発表している。
そんなニッサンは今週、ケンタッキー州にあるシボレーのテストトラックで4日間のテストを実施予定。ニッサンのグローバルヘッドオブブランド/マーケティング&セールスのダレン・コックスは、今後の計画について「ここまでは、開発とマシンの駆動方式を試すことに注力していた。計画している次の6日間では、マシンのマイレージを重ねることになる」と語る。
また、テクニカルディレクターを務めるベン・ボウルビーによると、マシンはここまで3800kmしか走行していないものの、現在は耐久テストに向けてマシンの仕様が変更されているのだということだ。
GT-R LMニスモのドライバーを務めるマルク・ジェネは「セブリングまで、我々は周回を重ねるのにも苦労していたんだ。ただ、2週間前に大きなステップがあった」と明かす。
「僕たちは今、これまではできなかったロングランを行うことができる。このクルマがどのように動くのか理解し始めているんだ。それが大きなゲインを得た理由だね」
また、同じくドライバーを務めるオリビエ・プラは、タイヤのライフに関しても大きな進歩があったのだと語っている。
「このマシンがどれほどタイヤに優しいかにすごく驚いた」とプラ。
「2スティントはとても安定していて、これにはかなり期待できる。それ以上も可能なんだ」
英AUTOSPORT.comは、ニッサンはリヤでの運動エネルギー回生を諦めてフロントにすべてのパワーユニットを搭載するとともに、ハイブリッドシステムでのエネルギー放出量は2MJを選択したのだと伝えているが、こうした点についての正式な発表はまだ行われていない。
GT-R LMニスモがどのようなパフォーマンスを発揮するのか、全世界の注目が集まっているが、ドライバーのジェネはル・マン前に予測を語ることは避けた。
「正直、僕たちもマシンがどのくらい良くなるのかは分からない」とジェネ。
「分かっていることは、マシンをテストする度に進歩していっているということだ」