2015年F1第3戦中国GPの決勝が12日、上海インターナショナル・サーキットで行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが今季2勝目となる通算35回目のトップチェッカーを受けた。
メルセデスとフェラーリがともに1勝づつを挙げ迎えた今季第3戦の中国GP。前戦マレーシアでフェラーリに完敗を喫した王者メルセデスがライバルのチャレンジを退け、逆襲に転じるのか。それとも、レースペースに絶対の自信を持つ跳ね馬が再びシルバーアローを打ち負かし、一躍シーズンの主役に躍り出るのか? タイトル争いの行方をも左右する一戦はドライコンディションのなか56周、305.066kmで争われた。
予選でグリッド最前列を独占したメルセデスを先頭に、フェラーリとウイリアムズが後方に並び、今季初のフルグリッド全20台で始まったレースは、ポールシッターのハミルトンが1コーナーでホールショットを奪って序盤をリード。2番手にニコ・ロズベルグ、3番手ベッテルと続き、6番手スタートのキミ・ライコネンがオープニングラップでウイリアムズ2台を相次いで交わし、4番手に浮上。早くもメルセデスとフェラーリがトップ4につけ、早くからウイリアムズ以下を引き離す展開となった。
先頭に立ったハミルトンは順調にトップを快走するも、2番手につけるロズベルグも1.2秒ほど後方でピッタリとチームメイトをマーク。一方、フェラーリの2台は周回ごとに少しづつ離されていき、10周時点で約5秒のギャップを背負うことになった。
トップ4最初のピットストップはベッテルから。ここでソフトタイヤから新品のソフトタイヤにつないだベッテルに続き、ハミルトンが翌周、その翌周にロズベルグとライコネンが同じタイヤを選択し、4台は再び同じポジションでコースへ復帰する。
しかし、第2スティントに入るとトップのハミルトンは、タイヤをマネージして若干ペースを抑え気味にしたため、ロズベルグとフェラーリ2台のギャップが縮小。2番手ロズベルグもハミルトンとの差を若干縮めるも、1.5秒後方にまで迫ったベッテルを警戒して、チームへハミルトンにペースを上げるよう要請する。それでも、先頭を走るハミルトンのペースはフェラーリ勢を引き離すには至らず、チームは29周目に2度目のピットストップを先に仕掛けたベッテルに続いて、ロズベルグを先にピットへ呼び寄せた。
これで、ロズベルグは2番手キープに成功。一方、ここまでメルセデス勢に食い下がってきたフェラーリはわずかな逆転の望みを断たれ、後半はやや苦手とするミディアムタイヤでライバルから少しづつ遅れることとなった。
その後レースは33周目に最後のピットストップを無事にこなし、チームメイトの前に戻ったハミルトンがロズベルグを従える形となり、メルセデスが1-2態勢を固めた。ハミルトンは、再びシートが熱くなるというやっかいな問題を抱えたものの、レースには影響せず。終盤もロズベルグとのギャップをコントロールしきったハミルトンは、最後、ホームストレートでストップしたトロロッソ車の排除によりセーフティカー先導のまま今季2度目となるトップチェッカーを受けた。
2位以下はロズベルグ、ベッテル、ライコネンと続き、終始単独でのレースとなったウイリアムズのフェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスが5位と6位でフィニッシュ。7位はロータスのロマン・グロージャンが続き、9位のダニエル・リカルドを挟んでザウバー2台が8位と10位でダブル入賞を果たした。
もうひとつの注目、マクラーレン・ホンダは、レース中盤にフェルナンド・アロンソが一時ペースを落とす場面があり、さらにピットレーンのオーバーシュートや単独スピンでポジションを下げたパストール・マルドナドとジェンソン・バトンが1コーナーの争いで接触するというアクシデントがあったものの、なんとかチェッカーまでたどり着き、アロンソが12位、バトン13位で今季初のダブル完走を果たしている。(※バトンとマルドナドの接触はレース後に審議される)
なお、最後のセーフティカー出動の原因となったマックス・フェルスタッペンは、入賞圏内の8番手を走行中にホームストレートで突然ギヤがスタック、なすすべはなかった。