ルイジアナ州ニューオリンズにあるNOLAモータースポーツパークで開催されているベライゾン・インディカー・シリーズ第2戦。11日に行われた予選は、セッション中に雷雨となり赤旗中止に。スターティンググリッドはエントラントポイントで決定され、チーム・ペンスキーのファン・パブロ・モントーヤがポールポジションとなった。佐藤琢磨(AJフォイト)は、13番手グリッドから決勝レースに挑む。
初開催のインディ・グランプリ・オブ・ニューオリンズは、雨のため予選が最後まで行なわれなかった。雨にも関わらず多くのファンが集まり、予選の第1セグメントの1グループ目は10分間のアタックを終えたが、2グループ目はセッション半ばで雷雨となったため赤旗でストップ。そのまま予選が再開されることはなく、全予選行程が完了されなかったために予選は不成立。エントラントポイント(=開幕戦の決勝リザルト)順で決勝レースのスターティンググリッドが与えられることとなった。
ポールポジションは開幕戦ウイナーのファン・パブロ・モントーヤのものになった。モントーヤは今日の予選を1グループ目でフルに走ったが、第2セグメントに進むためのトップ6に入れない8番手だった。セッションの最後にはコースオフまで喫したが、予選がすべて行なわれなかったためにポールからスタートする権利を与えらるラッキーに恵まれた。
「今回の僕らはラッキーだったけれど、だからこそポイントは常に少しでも多く獲得しておく必要があるんだ。そうすれば、今日のような時に役に立ってくれるんだ」とモントーヤは話した。
2番手グリッドを手に入れたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)も、ウエット・コンディションでのスピードは今ひとつで、グループ1でトップ6にこそ入ったが5番手でしかなかった。
「せっかくの初開催イベントなのに、予選が雨で中止とは残念だ。しかし、今日の天候では予選は無理だった。インディカーはやれることをすべてやったと思う。僕らのマシンはそこそこ良いよ。ウエットでも悪くはなかった。できることなら、全セグメントを戦い抜き、セッティングを詰めたかった。ポイントでのグリッド決定で、僕はフロントローからスタートできる。明日はどんなコンディションでの戦いとなるか……」とパワーはコメントしていた。
モントーヤの幸運さとは対象的なのは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)だった。プラクティス3で最速ラップをマーク。NOLAモータースポーツパークのマシンセッティングに自信を持っていた彼だったが、ポイントによるグリッドとなると15番手だからだ。
「予選が最後まで行えなかったのは本当に残念。今週の天候はあまり僕らに協力的じゃない。それでも、僕らのマシンはとても速いものに仕上がっている。今日までのところ、僕らの仕事ぶりは良いと思う。明日は好天になるといい。ファンのためにもね」とディクソンは語った。
佐藤琢磨は、ニューオリンズで苦戦を強いられている。エアロセッティングが想定通りのパフォーマンスに繋がらず、予選直前のプラクティス3では24台中の23番手だったのだ。そのセッションではチームメイトのジャック・ホークスワースも21番手と下位に低迷していた。暑いコンディションでのドライセッティングがまったく戦闘力を備えていないのだ。
ウエットコンディションになった予選は、雨を得意とする佐藤にとってはチャンスと映っていた。しかし、実際には車高を低く設定し過ぎてマシンが水に浮いている状態に陥ってしまい、予選は第1セグメントのクリアが難しい状況だった。
それでも、「車高が低過ぎると判明したのは大きい。明日のレースがいきなりウエットだったら、僕らは低過ぎる車高でスタートして、もしかしたら1周目でリタイアしてしまうことになっていたかもしれない。有用なデータが得られたので、ウエットでもドライでも明日戦える準備が整って来ました」と琢磨はあくまでもポジティブに考えていた。
「雨ならオーバーテイクは多くなるだろうけど、ドライだったらみんな全然抜けないかもしれない。13番手から上位フィニッシュを狙えるのはウエットコンディションですね」とも琢磨は語っていた。明日、雨が降れば琢磨にチャンスありだ。
(Report by Masahiko Amano / Amano e Associati)