WEC世界耐久選手権は10日、イギリスのシルバーストン・サーキットで第1戦の2度のフリー走行が行われ、マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組の7号車アウディR18 e-トロン・クワトロが初日のトップタイムをマークした。
いよいよ開幕を迎えた2015年シーズンのWEC。当初は33台がエントリーしていたこの開幕戦だったが、今季からLMP1クラスに参戦するニッサンの2台が開幕2戦を欠場することになったほか、LMP2クラスに参戦するチーム・サード-モランドの2台も、スポンサーとの契約問題により開幕戦を欠場することになり、29台が開幕初日のコース上に姿を見せることになった。なお、サード-モランドのドライバーとして名を連ねていたクリスチャン・クリエンは今回のレースで、チーム・バイコレスからLMP1を戦うことが発表されている。
現地時間11時55分から始まった90分間のフリー走行1回目では、ルーカス・ディ・グラッシ駆る8号車アウディが1分42秒121で首位に。2番手に17号車ポルシェ919ハイブリッドが入り、3番手に7号車アウディ、4番手に18号車ポルシェと、トップ4はアウディとポルシェのドイツ勢が交互に占める形となった。ディフェンディングチャンピオンとなるトヨタTS040ハイブリッドは、1分42秒749で2号車が5番手となり、6番手に1号車が続いた。
ちなみに、この時点で上位5台はすでに昨年の予選ポールポジションタイムを上回っており、今季仕様のマシンのポテンシャルを感じさせる結果となった。
その後、現地時間15時55分から同じく90分間で行われたフリー走行2回目では、トレルイエ駆る7号車アウディが1分41秒526までタイムを伸ばしてこのセッションの首位に。2番手に8号車アウディが続き、3~4番手には17号車、18号車の順でポルシェの2台。2号車、1号車とトヨタ勢が5~6番手と、3陣営がきれいに分かれる結果となった。
一日を通しての総合結果でも、アウディの2台のみが1分41秒台に入れ、7号車、8号車の順でワン・ツー。シーズン開幕戦の初日をまずはいい形で終えた。2回目の走行と同じオーダーでポルシェ勢、そしてトヨタの2台が6番手まで続いている。プライベーターとしてLMP1を戦うバイコレスのCLM P1/01・AERは、FP1を14番手、FP2を12番手で終えている。
LMP2クラスでは、今年から2台体制となったG-ドライブ・レーシングの28号車リジェJS P2・ニッサンが1分48秒676のタイムで首位に。コンマ6秒差の2番手には僚友の26号車リジェが続き、3番手にはKCMGが投入する今季のニューマシン、47号車オレカ05・ニッサンがつけた。4番手に36号車アルピーヌA450b・ニッサンが入り、ついにデビューを果たしたストラッカ・レーシングの42号車ストラッカ童夢S103・ニッサンが5番手となっている。
LM-GTEプロクラスでは、アストンマーチン・レーシングV8の95号車アストンマーチン・バンテージV8がFP1にマークした2分1秒393で初日トップ。2~3番手にはポルシェ・チームマンタイの91号車、92号車ポルシェ911 RSRが入り、4番手にAFコルセの51号車フェラーリ458イタリアがつけた。
LM-GTEアマクラスでは、アブダビ-プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRが2分2秒350でトップ。SMPレーシングの72号車フェラーリ、AMRの98号車アストンマーチンと続き、ラルブル・コンペティションが投入する50号車コルベットC7.Rが4番手につけている。
WEC開幕戦2日目となる11日は、フリー走行3回目と予選が行われることになる。