2015年シーズンのWEC世界耐久選手権がいよいよ10日からイギリス・シルバーストンで開幕を迎える。この開幕戦には、当初より数を減らしたものの4クラス合計で29台がエントリーしている。
オフシーズンを終え、ついに開幕する今シーズンのWEC。昨年のシリーズチャンピオンであるトヨタをはじめ、同じくLMP1クラスを戦うアウディ、ポルシェともに、ル・マン24時間制覇、そしてシリーズ王者を目指してマシンを熟成し、さらなるパフォーマンスアップを図ってきた。
さらに今年は、このLMP1クラスにニッサンがFFレイアウトを採用した革新的な車両『GT-R LMニスモ』で参戦。テストに専念するためとして、残念ながら開幕2戦は欠場し、第3戦ル・マン24時間からの参戦となるが、このシルバーストンには2台のショーカーを持ち込んでいる。
厳格なコストキャップ制のもと、プライベーターがバトルを展開するLMP2クラスでは、1年越しの実戦デビューとなる童夢S103をはじめ、オレカの新クローズドLMP2であるオレカ05も登場。昨年デビューし速さを見せたリジェJS P2をはじめとした既存のマシンに対して、これらのニューマシンがどのようなパフォーマンスを見せるのかにも注目だ。
またチームとしても、2013年~14年のヨーロピアン・ル・マン(ELMS)のLMP2クラスで2年連続のチャンピオンに輝いているシグナテック・アルピーヌがWECに登場。これまでアメリカを拠点として活動してきたエクストリーム・スピード・モータースポーツ(ESM)も参戦し、開幕戦にはなんとデイビッド・ブラバムもこのESMから参戦することが決まっている。
LM-GTEプロクラスでは、今年もフェラーリ、ポルシェ、アストンマーチンのワークス各のチームが集結。LMP1に負けず劣らずの三つ巴の戦いが繰り広げられているこのクラスだが、フェラーリ458イタリアを投入するAFコルセ、ポルシェ911 RSRで戦うポルシェ・チーム・マンタイはそれぞれ2台体制を継続している一方、アストンマーチン・バンテージV8を投入するアストンマーチン・レーシング(AMR)は3台体制へと陣容を拡大。今年はどのような勢力図となるのかも見逃せない。
またLM-GTEアマクラスには、ラルブル・コンペティションが復活。コルベットC7.RをWECに舞台に持ち込んだ。また、俳優のパトリック・デンプシーもデンプシー-プロトン・レーシングから初のWECフル参戦となっている。
WEC開幕戦シルバーストンは、現地時間10日に2度のフリー走行が行われ、11日にフリー走行と予選、そして12日に6時間の決勝レースが行われる。