WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦しているチーム・サード-モランドは9日、シリーズ開幕戦シルバーストンを欠場すると発表した。
日本のサードと、スイスのチーム・モランドがタッグを組む形で誕生したサード-モランドは今季、モーガンEvo・サードの2台体制(39号車/43号車)でWECのLMP2クラスにシーズンエントリー。3月末のWEC公式テストにもこの2台を投入し、39号車のドライバーを務める嵯峨宏紀も好感触を語っていた。
ただ、チームは9日、Facebook上で開幕戦を欠場することを発表。Facebookには以下のように記されている。
「経営及び法的な理由により、(チーム監督の)ブノワ・モランドとクルーは選手権の開幕戦を欠場する」
「今後は、ベルギーでのWEC第2戦やシーズン残りのレースを戦うためにすべてが動いていくことになる」
チーム監督のモランドは今回の発表にあたって、「こうして欠場を発表するのは非常につらいことだ」とコメントしているものの、今後については「楽観的」だとも語っている。
英AUTOSPORT.comはこの欠場について、チーム・モランドをデータの暗号化や転送の専門企業であるカイロス・テクノロジーズへ売却する作業が遅れているためなのだと伝えている。カイロス社とモランドの合意によって、チームは3月末にポールリカールで行われたシリーズの公式テストに参加することができたということだが、売却完了のための調査がまだ終わっていないのだということだ。