今や世界中の多くの人々に愛されているスキニージーンズだが、宗教や法律が変われば話は別である。「イスラム国(IS)」は今、敵視している英ロンドンが発祥というこのスキニージーンズの排斥に向け、厳しい取締りを始めたもようだ。
ムスリム(イスラム教徒)の「シャリア法」にのっとり、アルコール、タバコ、水パイプ、ギャンブル、ポルノ、音楽などを禁じている過激派組織「イスラム国(ISIS・ISIL・Islamic State・ダーイッシュ)」。彼らが暗躍するシリア北部のラッカで、このほどあるチラシが配られた。
この画像は米メディア『mashable.com』が伝えているその記事のスクリーンショット。示されたのは、“男はアゴ髭にすべし。髭を剃り落とす、口髭だけにする、そしてスキニージーンズを穿く、こうした行為はすべて御法度である”という警告であった。これを守らない者には10日間の投獄が待っており、そこで徹底的に心がけを改めさせられ、二度と規則を破らないと宣誓した上で釈放されるとのこと。背けば火あぶりや斬首が待っていることは言うまでもない。
“Hisba(道徳警察)”と称する武装集団がパトロールしているラッカでは、音楽に親しんでいた者からはすべての楽器とオーディオ機器が、また喫煙者からは隠し持っていたすべてのタバコが押収され、山に積まれては焼き尽くされている。また携帯電話を使用していた女性が手を切り落とされるなど、女性や子供でも違反した者への容赦はない。
このテロ集団はインターネットを通じて
世の中の動きを完全に把握している。これだけ世界の文明が進化を遂げている中で、昔ながらの厳しい戒律である「シャリア法」を守ることの不公平感と窮屈な思いをおそらくは自覚しているのだろう。だが来世信仰も働き、「自分たちも少しは楽しいことを」という方向には進まず、憂さを晴らすかのように違反者や罪のない西側の人々を処刑してばかりいる。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)