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旅券返納の杉本祐一さんに聞く「渡航制限付きのパスポートでは、受領する意味がない」

2015年04月07日 17:21  弁護士ドットコム

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シリアへの渡航計画を理由にパスポート(旅券)を返納させられたフリーカメラマン・杉本祐一さんに対して、外務省が渡航先を制限した新たなパスポートの発給を検討していると、新聞やテレビが4月6日に報じた。


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外務省は今年2月、シリアへの渡航を計画していた杉本さんに渡航自粛を求めたが、応じなかったため、旅券法にもとづき旅券を返納させた。杉本さんは3月20日に改めて、パスポートの発給申請していた。



外務省は、杉本さんのパスポートについて、シリアなど渡航できない国を明記したうえで発給することを検討しているという。渡航先を制限されたパスポートの発給について、杉本さんはどう考えているのだろうか。4月7日午前、杉本さんに電話でインタビューした。



●パスポートは「大事な相棒」


――渡航制限付きのパスポートの発給方針を知っていたか?



私は何も聞いていません。通信社の記者から「渡航制限をつけたうえで、発給することを検討しているという報道がありましたよ」と聞いて、間接的に知りました。



――パスポートの発給を申請した際の状況は?



3月20日にパスポート発給を再申請して、引換書を受け取りました。ふつうは引換書の「受取予定日」の欄に日にちが記載されているのですが、私の場合は、そこに線が引かれていました。「いつになるかはわからない」ということだと思います。



――制限付きという点を、どう考えているのか?



渡航制限付きでは、受領する意味がありません。でも、パスポートは20年間ずっと目の前にあって、それを持って現地取材してきた大事な相棒です。それが自分のそばから失われて、精神的に不安定になっています。ですから、渡航制限付きだったとしても、とりあえず受領はすると思います。



――制限付きでも構わないということか?



もちろん「渡航制限付き」に納得したわけではありません。私は、海外の観光地にグルメ取材をしに行くわけではありません。あくまでも、飢餓地帯・紛争地域にいきたいのです。その現状を日本人の視点で、日本国民に知らせたい。



その手段を奪うことは、ある意味、国民の知る権利を部分的に奪うことだと思います。渡航制限付きで発給された場合には、引き続き、法的な対応を弁護士と検討したいです。



――旅券返納から2か月、どのように過ごしていたのか?



いろいろな新聞、週刊誌、月刊誌の取材対応に追われてました。いつ、時間に余裕ができるかわからないから、バイト先の社長には、「今年はどうなるかわからないから、今年夏くらいまで手伝いができない」と伝えています。



そのかわり、新潟県内で講演の依頼が入っています。しばらくは講演に力をいれるつもりです。


(弁護士ドットコムニュース)