3月28日に、ドイツのニュルブルクリンクで開催されたVLNニュルブルクリンク耐久シリーズ第1戦で発生した事故を受けて、DMSB(ドイツモータースポーツ協会)は特別対策会議を実施。出走禁止クラスを拡大した。
この事故は、28日に開催されたVLN1の決勝レース中に発生したもので、ヤン・マルデンボロがドライブしていた23号車ニッサンGT-RニスモGT3がコースから浮き上がる形でクラッシュ。キャッチフェンスを超えてしまい観客1名が死亡したほか、観客2名が負傷したもの。
この事故を受けて、GT3カーで争われるSP9クラスをはじめSP7、SP8、SP-Pro、SP-Xといったハイスピードな車両のニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)の走行が禁止されていたが、DMSBは会議の末、新たにポルシェカップカーのCup2、H4、さらにE1-XP1、E1-XP2、E1-XPハイブリッドクラスといったクラスも走行禁止枠へ加えられた。ただ、当初走行禁止クラスに加えられていたSP10(SRO-GT4)は市販車にかなり近い仕様であるとして解除。再び走行が可能となった。
現在、DMSBは事故原因の究明に全力を尽くしているが、クラッシュしたニッサンGT-RニスモGT3だけではなく、比較解明のためにそれに近い特徴をもつ他の車両のデータも取り寄せて解析をしているという。
DMSB会長を務めるハンス-ヨアキム・シュトゥックは、「ノルドシュライフェにおいて安全でフェアなモータースポーツを行うためにも、その解決策を見つけ出すことが目標であり、来週には関係者が全員集まって、事故および今後に関して話し合う予定だ」と語った。
「コース、観客エリア、レースカー、スポーティングレギュレーションなど、ノルドシュライフェの10年、20年後の先も見据えて多項目に渡る事項が慎重に議論されるべきであり、それらは短期間に解決できるものではない」
今後、DMSBの幹部を中心にプロドライバーやアマチュアドライバー、主要自動車メーカーの代表者、ニュルブルクリンク所有者サイド、VLNやニュルブルクリンク24時間レースの主催者やオフィシャルなどの関係者が招かれ、4月7日に会議が行われるという。
その一方で、4月1日付でニュルブルクリンク24時間レースの主催者は、4月11~12日に6時間耐久で予定されているニュル24時間予選レースが予定通りに開催されると発表した。しかし、現時点では予選レースに参戦予定だった車両の大半がノルドシュライフェ出走禁止となっており、対象クラス車両はグランプリコースのみの出走許可しか下りていない状況だ。7日のDMSB有識者会議の結果が注目される。