2015年03月31日 17:21 弁護士ドットコム
税や社会保障に関する個人情報の管理に使うため、2016年から日本に住むすべての人に「マイナンバー」が割り振られる。この制度について、政府は3月10日の閣議で、預金口座にも適用させるためのマイナンバー法改正案法を決定した。
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報道によると、預金口座への適用は、マイナンバー導入から2年後の2018年にスタートするという。既存の口座の場合は来店時に登録を促し、新たに口座を開設する人向けに、申請用紙にマイナンバーの記入欄を作る。
麻生太郎財務相は「(税の)徴収にも利用できて公平適正な納税につながる」とその意義を主張し、導入から3年後の2021年をめどに「義務化」を検討する考えを示した。改正案では、マイナンバーを医療分野の一部で活用することも認める。
そもそも、マイナンバーとは、どういった制度だろうか。預金口座への適用にどのような意味があるのだろうか。久乗哲税理士に聞いた。
「そもそもマイナンバー制度は、税と社会保険の一元管理のために導入される制度です。
内閣府のホームページによると『マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです」とあります。
そして、マイナンバーの必要性について、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤を実現することを挙げています」
預金口座に適用することにどのような意味があるのだろうか。
「麻生財務相は『公平適正な納税につながる』ことへの期待感を表明しています。相続税の申告において、預金を捕捉し切れていない現状を表しているのでしょう。
預金口座へのマイナンバーの適用を義務化して、相続税の適正な課税を実現しようとの思惑があると思います」
久乗税理士はこのように語っていた。
【取材協力税理士】
久乗 哲 (くのり・さとし)税理士
税理士法人りたっくす代表社員。税理士。立命館大学院政策科学研究科非常勤講師、立命館大学院経済学研究科客員教授、神戸大学経営学部非常勤講師、立命館大学法学部非常勤講師、大阪経済大学経済学部非常勤講師を経て、立命館大学映像学部非常勤講師。第25回日税研究賞入選。主な著書に『新版検証納税者勝訴の判決』(共著)等がある。
事務所名 :税理士法人りたっくす
事務所URL:http://rita-x.tkcnf.com/pc/
(弁護士ドットコムニュース)