フォルクスワーゲン・モータースポーツの代表を務めるヨースト・カピートは、今シーズンのWRC世界ラリー選手権で、ヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)がタイトルを獲得するのは難しいだろうと語った。ラトバラは、第3戦終了時点でランキングトップのチームメイト、セバスチャン・オジェに62ポイントの大差をつけられている。
今シーズン、ラトバラは開幕戦モンテカルロで2位表彰台を獲得したものの、続く第2戦スウェーデンでは雪だまりからの脱出に手間取り、総合12位。3月5日から行われた第3戦メキシコでも、総合2番手を走行中に左リアを大破するクラッシュを喫してしまい、総合15位に終わっている。その一方で、チームメイトで14年王者のオジェは開幕から3連勝。ポイントランキングでラトバラに62ポイント差をつけている。
カピートは、ラトバラの2戦続けてのミスに対し一定の理解を示しつつも、「これだけ大量の差を付けられてしまうと、ラトバラがチャンピオンを獲得するのは難しいと思う」と英AUTOSPORT.comにコメントしている。
「今後なにが起きるかは分からないし、ラトバラもチームも勝つための努力は惜しまない。ラトバラは(第3戦)メキシコで、オジェとコンマ数秒の差で走ることができていたし、素晴らしいドライバーなのは間違いないんだ」
「それに、あれだけ高いレベルで走行していれば、ミスもしやすくなってしまうものだよ」
チームはラトバラのミスにより、マニュファクチャラーズランキングでも貴重なポイントを失っているが、カピートはチームオーダーに関する考えを改めるつもりはないと語った。チームは昨年も開幕から3連勝し、第3戦終了時点では60ポイントのリードを築いていたが、今年はわずか24ポイントのリードに留まっている。
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)がメキシコで犯したミスは、チームオーダーを出さなかったために起きたとも言えるだろう。しかし、この件で誰かを責めるつもりはない」とカピート。
「そのまま順位を維持して走りきれ、とヤリ-マティ(・ラトバラ)に指示することもできる。しかし、そうするつもりは無いんだ」