トップへ

GAZOO Racing 86/BRZ Race開幕! 王者谷口信輝が開幕戦もてぎを制す

2015年03月30日 11:40  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

3年目を迎えたGAZOO Racing 86/BRZ Race。プロフェッショナルシリーズのスタートシーン
3シーズンめを迎えたワンメイクレース、GAZOO Racing 86/BRZ Raceは3月29日、ツインリンクもてぎを舞台に開幕戦が行われ、プロフェッショナルシリーズで谷口信輝(KTMS 86)が、そしてクラブマンシリーズで遠藤浩二(CG ROBOTかえる君BS86)がそれぞれポール・トゥ・ウインを達成した。

 過去2年間、絶えずフルグリッドを超えるエントリーを集めていた86/BRZ Race。今年はスタイルを一新し、プロドライバーも対象とするプロフェッショナルシリーズと、アマチュアドライバーを対象とするクラブマンクラスに分けられることとなった。車両規定も若干異なり、プロフェッショナルシリーズでは指定部品ながらLSDの装着が認められ、クラブマンシリーズではタイヤが1メーカー1銘柄、いわゆるラベリングタイヤに限定されるようになった。これらの違いはタイムに表れ、予選ではトップタイムでも1秒以上の差がついた。

 クラブマンシリーズでは遠藤がポールポジションを奪うも、オープニングラップのうちに小野田貴俊(N東埼玉T埼玉KND2和光86)にかわされてしまう。しかし、遠藤は少しも遅れを取ることなく続き、終盤のチャンスを待つ。「ブレーキがもう限界でした」と語る小野田を、7周目の90度コーナーで再逆転。そのまま逃げ切って優勝を飾った。「ミスも多くていっぱいいっぱいでしたが、ひさびさに表彰台に立てて、気分良かったです」と遠藤。3位は若林勝弘(アリコレーシング86)が獲得した。

 プロフェッショナルシリーズでは、2連覇に向けて幸先のいいポールポジションを谷口が獲得。2番手の大西隆生(オートバックスG7 86ポテンザ)をコンマ1秒差でかわすも、「アタック2周目にヘアピンのブレーキングで行き過ぎちゃって。セクター1、2の感触では、もっと出るはずだったんだけどね」と納得の様子ではなかった。3番手は青木孝行(ケーエムエスADVAN 86R)が、4番手は阪口良平(AREA86倉敷)が、そして5番手は山野直也(CABANA P MU 86)が獲得する。

 決勝レースのスタート直後に勢いをみせたのは、「どちらかと言うと決勝重視のセットだったから、順位は上げていけると思います」と語っていた阪口。昨年のもてぎでの開幕戦を逆転で制し、以来「谷口キラー」との呼び声も高いドライバーが、先行車両をオープニングラップのうちに相次いでパスして2番手に躍り出たからだ。その間にトップ谷口との差は2秒となったが、そのまま差を広げられ続けるどころか、周を追うごと詰めていく。3周目にはテール・トゥ・ノーズに持ち込み、逆転の機会をうかがった。

 そんな最中、6周目のV字コーナーでマルチクラッシュが発生。車両回収のため、セーフティカーがコースに入る。最終ラップに入ったところでSCはコースを離れ、1ラップ勝負が演じられる。しかし、完璧なリスタートを決めた谷口に、阪口は着いていくのがやっと。「最後はブレーキが辛くて……」と阪口。3番手につけていた大西はリスタートに失敗し、青木に詰め寄られたものの、辛くも振り切ることとなった。

 緒戦を制した谷口は、「良平はやっぱり速かったけど、追いつかれたのはペースをコントロールしていたから。それなのにSCが入っちゃって、『あれあれ』って感じになったけど、特に影響はなかったし、入らなかったらたぶん最後に引き離せたと思う。もてぎ初優勝!」と喜んだ。

 3位の大西は「ひさびさの表彰台。やっぱり予選が重要ですね。デフが入って、タイヤのタテのトラクションを活かせるようになったら、僕の走りには合うようになりました」と語った。実際、表彰台は一昨年の開幕戦以来だ。青木に次ぐ5位は、予選9番手から追い上げた蒲生尚弥(ASICS Blue 86R)が獲得、山野は6位に。

 なお、SCが入ったアクシデントで、最も深刻なダメージを負ったのは井口卓人(CG ROBOT BRZ 86)。マシンが大破したばかりか、大事をとって病院に搬送されることに。意識はあり、大事には至らなかったものの、出場予定だったこの日のメインレースであるスーパー耐久にはドクターストップがかかった。週末に控えるスーパーGTにまで影響を及ぼさぬことを祈りたい。