2015年F1第2戦マレーシアGPは29日(現地時間)、セパン・インターナショナル・サーキットで56周の決勝レースが行われ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが逆転でトップチェッカーを受け、フェラーリ移籍2戦目でマラネロに2年ぶり(2013年スペインGP以来)、自身にとっても2013年最終戦ブラジルGP以来となる通算40勝目を挙げた。
直前にウィル・スティーブンスが欠場となり、全19台で争われることになったマレーシアGP決勝。今季初のフルグリッドとはならなかったものの、最前列にはポールシッター、ルイス・ハミルトンの隣にセバスチャン・ベッテルが並び、ロングランに強いフェラーリと王者メルセデス勢の争いに大きな注目が集まった。
レースはスタートダッシュを決めたハミルトンがホールショットを奪い、ベッテルが3番手スタートのニコ・ロズベルグを制して2番手のポジションをキープ。レッドブルのダニエル・リカルドが4番手で続き、ウイリアムズのフェリペ・マッサがダニール・クビアトとマックス・フェルスタッペンを交わして5番手に浮上した。一方、11、12番手スタートのキミ・ライコネンとパストール・マルドナドはそれぞれ他車と接触してパンク。マルドナドはそのままピットに入ったが、ライコネンは左リヤを失った状態で2周目をまる1周走ることなり、最後尾までポジションを落としてしまった。
4周目に1コーナーでフォース・インディアに仕掛けたザウバーのマーカス・エリクソンがコースオフしてグラベルにストップ、セーフティカーが出動すると、このタイミングで先頭のハミルトンと3番手ロズベルグのほか、リカルドやマッサなど多くの上位勢がピットインして新品タイヤに交換。ここでメルセデス2台はハードタイヤを履いてコースに戻るが、ポジションを優先してコースに留まったベッテルは、7周目のレース再開後も中古のミディアムタイヤで安定したペースを披露。逆に、5番手に下がったハミルトンは同じくコースに留まっていた前3台を10周目にしてようやくパス、2番手に復帰するがトップ走行のフェラーリからは10秒も離されてしまった。
先頭のベッテルは8秒差に迫られた17周目にようやく1回目のピットストップを敢行。ここでミディアムタイヤを履いたベッテルはトップ浮上のハミルトンから12秒差、2番手ロズベルグの4秒後方となる3番手でコースに復帰すると、すでにハードタイヤで15周程度を走ったメルセデス勢に周回ごとに迫っていき、21周目にロズベルグを交わすと、24周目のバックストレートで王者ハミルトンをオーバーテイク! 再度トップ浮上を果たす。
その後、レースリーダーのベッテルは2度目のピットストップで20秒以上後方に下がったメルセデス勢をリードして快調にトップを走行。ミディアムタイヤに履き替えた2番手ハミルトンには1周1秒づつその差を縮められるが、2ストップ戦略をとるベッテルは、3ストップのメルセデス勢に対して完全に主導権を握った状態で、37周目に最後のピットストップを問題なくこなすと、翌周3度目のピットストップを行ったハミルトンを14秒後方に置き首位を堅持。そのまま最終スティントもメルセデスとの差をコントロールしたベッテルは、最後もハミルトンを8秒差で退け、歓喜のトップチェカーを受けた。
ベッテルから12秒差の3位はニコ・ロズベルグ。序盤にパンクを喫して最後尾からの追い上げとなったライコネンはベッテル同様に強力なレースペースを活かして4位でフィニッシュする健闘をみせた。
ウイリアムズのバルテリ・ボッタスとフェリペ・マッサが5位と6位に入り、トロロッソを駆る17歳の新人マックス・フェルスタッペンと20歳のカルロス・サインツJr.がレッドブル勢を上回る7位と8位でフィニッシュ。逆にレッドブルは途中からブレーキの消耗がひどく、9位と10位に終わった。
なお、マクラーレン・ホンダは今季初レースとなったフェルナンド・アロンソが序盤に他車のピットタイミングから一時9番手まで浮上したが、21周目にトラブルのためピットイン。ERSの冷却に問題が発生したアロンソはそのままリタイアとなり、チームメイトのジェンソン・バトンも41周目にターボトラブルでパワーを失い、スローダウン。ダブルリタイアを喫している。