4月4日~5日に岡山国際サーキットでスーパーGTのサポートレースとして開幕するFIA-F4ジャパニーズ・チャンピオンシップ。このレースに、ランボルギーニのモータースポーツディビジョンであるスクアドラ・コルセの名を冠したチームが参戦することになった。
FIA-F4は、FIA国際自動車連盟がF3を目指す15歳からの若手ドライバーのための下位カテゴリーとして導入されるもので、日本ではGTアソシエイションがオーガナイズ、プロモーションを担当。スーパーGT第3戦タイをのぞき、全戦がスーパーGTのサポートレースとして開催される。
すでに25日にエントリーリストが発表され、その中に『VSR Lamborghini SC』という見慣れぬチーム名が2台分記載されていたが、その詳細が27日に発表された。ヨーロッパでユーロノヴァ・レーシングを率い多くの若手を育てているビンツェンツォ・ソスピリ率いる『VSRランボルギーニ・スクアドラ・コルセ・フォーミュラ・ジュニアチーム』がその実体だ。
かつて国際F3000のチャンピオンを獲得し、F1にも挑戦したソスピリの『ビンツェンツォ・ソスピリ・レーシング』の名と、ランボルギーニのレース部門である『スクアドラ・コルセ』の名が冠されたチームは、ランボルギーニの若手育成のために、ワンメイクレースであるスーパートロフェオに続くものとして、VSRとランボルギーニがコラボし、日本の名門ZAP SPEEDのオペレートで2015年から組織されたものだという。
「若いドライバーへの支援と推進は我々にとっての最優先事項だ。2014年のスーパートロフェオでのヤングドライバープログラムに続き2015年は、プロのレーサーになる野心をもつ若いドライバーを、FIA-F4という舞台で、VSRを支援する形で我々は実施し続けることを決めた」と語るのは、スクアドラ・コルセ代表のジョルジョ・サンナ。
「チームマネージャーとしても長い経験を持つビンツェンツォ・ソスピリにより、我々ランボルギーニ・スクアドラ・コルセの旗の下でGTレースを戦う、若く有望なドライバーが見つかると確信している。彼と彼のチームをランボルギーニ・ファミリーに迎えられて幸せだ」
また、チームではドライビングコーチを務めるソスピリも「チームの新しい挑戦に興奮している。日本で創設される新しいFIA-F4にはとても関心があったし、非常にコンペティティブなものになるだろうと思っている。とはいえ、我々は素晴らしいチーム用意したので、強いふたりのドライバーとともにライバルたちと張り合うだろう」と語った。
今季は2台体制でFIA-F4に参戦する予定で、1台はスーパーFJもてぎ、東北と両シリーズで王者に輝いた篠原拓朗を起用。また、もう1台は2012年にフォーミュラ・アバルトでヨーロッパとイタリアの両シリーズで王者に輝いたニコラス・コスタを起用する。
「VSRやランボルギーニ・スクアドラ・コルセの一員として、日本のFIA-F4に参戦する機会を手にできてとても光栄です。目標はもちろんチャンピオンです。昨年、スーパーFJの東北シリーズともてぎシリーズのチャンピオンを獲った、ZAP SPEEDがチーム・オペレーション担当というのは心強いですね」と語るのは篠原。
また、コスタも「VSRとランボルギーニ・スクアドラ・コルセから、こうした機会を与えられてとても幸せだし最善を尽くすつもりだ。日本のFIA-F4という選手権のスタートはもちろんのこと、新しい生活や文化が学べることをとても楽しみにしている」と意気込みを語った。
日本では長年JLOCがランボルギーニのレース活動を牽引する形でスーパーGTに参戦していたが、ヨーロッパのメーカーのジュニアチームがこうして日本でチームを結成することは極めて異例であり、FIA-F4への関心の高さがうかがえるだろう。激戦が予想される新シリーズで存在感を放つのは間違いなさそうだ。
■VSRランボルギーニ・スクアドラ・コルセ・フォーミュラ・ジュニアチーム体制
19号車ドライバー:篠原拓朗 1994年11月20日生まれ
63号車ドライバー:ニコラス・コスタ 1991年11月14日生まれ
VSR代表:ジェシカ・グルームブリッヂ
マネージャー:大倉紀義(ZAP SPEED)
プロジェクト・プロデューサー:町田英明(RAMBLAS)
オペレーション・ディレクター:笹川健志(ZAP SPEED)
ドライビング・コーチ:ビンツェンツォ・ソスピリ