政府は今年の7月と8月に「朝型勤務」を導入する。午前8時半から9時半となっている国家公務員の勤務開始時間を1、2時間早め、午後4時15分以降には会議を設定しない。2015年3月27日午前の官房長官記者会見でも、閣僚懇談会における安倍首相の以下の発言が紹介された。
「個々人がライフスタイルに合わせて仕事ができるよう、まずは明るい時間が長い夏の間は朝早くから働き始め、夕方には家族などと過ごせることができるように『夏の生活スタイル変革』に取り組む。具体的には『朝型勤務』や『フレックスタイム制』を推進し、この取組みを国全体に浸透させたい」
水曜日は「午後8時までの庁舎の消灯を励行」
このニュースには、ネットで「登庁に1時間かかる人は5時起きか」と同情する声もある。また「これで本当に労働時間は減るのか?」と疑問もあがっている。2時間早く出勤したら2時間早く退庁するのが本来であって、退社時間が変わらないなら「2時間の早出残業」になってしまうというわけだ。
この点についてNHKは「早朝に出勤した職員は原則として定時に退庁」と報じているが、内閣官房が27日午後に公表した「国家公務員における『夏の生活スタイル変革』」では、終業時刻は午後4時15分から午後5時15分とされている。早出した場合には、定時の退庁時間も前倒しされるようだ。
このほか毎週水曜日には原則として午後8時までに庁舎を消灯するなど、時間外労働の抑制が図られる。なお、窓口業務などの「官庁執務時間」(午前8時半から午後5時まで)は変更されない。
政府は同様の取り組みを民間企業にも広げたい意向だが、霞が関のように「前倒し退社」が徹底できず、さらに労働時間が延びるのではという懸念もある。このほか内閣官房の資料には、
「管理職を始め、可能な限り多くの職員にテレワークを経験させる」
「年次休暇・夏季休暇を組み合わせて、1週間以上の連続休暇の取得を促進」
といった項目もあがっている。社員の働き方を見直したい企業には参考になるかもしれない。