WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているポルシェは26日、ポールリカール・サーキットで2015年仕様の919ハイブリッドを発表した。
2014年からWECのLMP1クラスに参戦し、初年度からポールポジションを4度獲得するとともに、最終戦では初優勝も果たしたポルシェ。今季はル・マン24時間には3台体制で臨むなど、昨年以上に強力な体制でシリーズに臨む。
そんなポルシェは今季ここまで、2万6675kmに及ぶテストを実施。そしてWEC公式テスト前日となる26日、今季仕様の技術的な詳細を明かすとともに、マシンのお披露目を行った。
ポルシェはこの中で、1周あたりのエネルギー放出量について、4段階の中で最大となる8MJを選択したことを発表。メーカーワークスにハイブリッドシステムの搭載を義務付けているLMP1クラスでは、1周あたりのエネルギー放出量を2MJ/4MJ/6MJ/8MJの4段階から選ぶことができ、昨年のポルシェは6MJを選択していた。
大きな放出量を選ぶと、ハイブリッドシステムからより多くのアシストを受けることができるが、システム自体の重量がかさんでしまう。ポルシェは今季、ほぼすべてのコンポーネントに手を入れて軽量化を実現し、8MJのエネルギー放出量を選択した。
また、シャシーの根本的なコンセプト自体は昨年と同様となったが、新たなモノコックや空力、サスペンションなどあらゆる点で改良が加えられている。また、軽量化されたものの各部の強靭さは増しているほか、マシンの剛性も向上しているという。
パワーユニットに関しては、2リッターV4ガソリンターボエンジンとともに、運動エネルギー回生、熱エネルギー回生のふたつの回生システムを搭載する昨年同様のパッケージ。エネルギー貯蔵システムも、昨年に引き続きリチウムイオンバッテリーを採用している。
また発表会では、白、黒、赤のそれぞれを主体としたカラーリングが施された3台のマシンがアンベイルされた。ル・マンではこの3つのカラーのマシンが投入されることになるが、それ以外のラウンドでは昨年に近い、白をベースとしたカラーリングが採用される。
ドライバーラインナップについては、すでに発表されている通り、17号車にティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウエーバーが、18号車にマルク・リーブ/ロマン・デュマ/ニール・ジャニが、そして第2戦スパと第3戦ル・マンに投入される19号車にはアール・バンバー/ニコ・ヒュルケンベルグ/ニック・タンディが乗りこむことになっている。