『鳥獣戯画 ―京都 高山寺の至宝―』展が、4月28日から東京・上野の東京国立博物館で開催される。
国宝『鳥獣人物戯画』は、墨線のみで動物や人物たちを躍動的に描いた京都・高山寺に伝わる絵巻。ウサギ、サル、カエルたちが、人間さながらに遊戯や儀礼を行う様子、ウシや犬などの身近な動物、獅子や獏などの霊獣などが描かれている。甲、乙、丙、丁の各巻は別の時代に異なる人物によって描かれたとされているが、実際の作者や、描かれた目的、高山寺に伝わった時期、経緯などは明らかになっていない。
同展では、2009年から4年間にわたって解体修理された『鳥獣戯画』の甲、乙、丙、丁の全4巻を展示。さらに、掛軸などに仕立て直されて伝来し、現在までに国内外で確認されている断簡全5幅も展示され、現存する『鳥獣戯画』の全てを鑑賞できる展覧会となる。また、高山寺の文化財や動物彫刻と共に、『明恵上人像(樹上坐禅像)』『仏眼仏母像』『華厳宗祖師絵伝』などの国宝も展示される。
また、同展は前期と後期に分けて開催。会期中に一部展示作品と展示場面の変更が行われ、『鳥獣戯画』は全4巻の各前半部が前期、後半部分が後期に展示される。