ホンダF1プロジェクト総責任者、新井康久氏が、マクラーレン以外にパワーユニットを供給してより多くのデータを入手できたとしても状況は変わらないとの考えを示した。マクラーレン・ホンダは今年、厳しいスタートを切り、他から大きく遅れている。
今季再び手を組んだマクラーレンとホンダだが、プレシーズンテストからトラブルが多発、開幕戦オーストラリアでは2台が予選最後尾、決勝ではジェンソン・バトンが完走を果たしたものの、2周遅れの最下位にとどまった。
他のエンジンマニュファクチャラーと異なりホンダは複数のチームに供給していないことも、問題解決の妨げになっているのではないかという推測を、新井氏は否定している。彼は、マクラーレンから十分なデータを得ており、他にカスタマーチームがいたとしても状況は変わらないと考えている。
提携チームが複数あれば挽回の助けになったと思うかと聞かれ、新井氏は「そうは思いません。私たちはマクラーレンと一体となって働いています」と答えた。
「いい方向に開発を進めていくのに十分なデータをすでに手に入れています」
「他のチームに(パワーユニットを)供給してもっとたくさんのデータを入手したとしても、そのデータによって状況が変わるということはないでしょう」
「マクラーレンの経験は非常に役立っていますし、チャンピオンを経験したふたりのドライバー(バトンとフェルナンド・アロンソ)は走行するたびに優れた情報をもたらしてくれます」
新井氏は、将来供給先を増やす可能性を否定していないものの、積極的にそれを望んでいるわけではないと語った。
「現時点では他のチームから(パワーユニット供給に関して)オファーは来ていませんが、依頼されれば検討します」
「でも今はそういうことは一切ありません。私たちはマクラーレンと手を結んでいます」
「(複数のチームに供給)したくないと考えているわけではありませんが、積極的に供給チームを増やすために動くということはありません」