日本通信販売協会が全国の10~60代の1000人を対象に「書籍の購入場所」を質問したところ、実店舗で購入する率が最も高かったのは10代という結果になった。
反対に、ネット通販の利用率が最も高いのは40代。この結果について協会担当者は「ネットに親しんでいるイメージがある若年層のネット利用が少ないのは意外だ」と驚いている。ネット上には、調査結果に好意的な意見も見られる。
「本って、衝動買い率高いから、ピンポイントで買いに行くんじゃなく、ブラブラ見てまわるにはネットよりリアル何だよな」
「書店楽しいもんね。あんなに時間ブラックホール空間もなかなか無いしね」
40代はネット通販「レジに出しにくい本も買う」
その一方で、若年層がネット通販ではなくリアル書店を選ぶのは「書店好きが多いから」と楽観できないという意見もある。ネット通販を利用するためにはクレジットカードの登録が必要であり、定収のない10代で作成するのは難しいからだ。
「10代なら現金での購入だから、あたりまえじゃね?」
「当たり前の結果。ネット通販だとクレカ決済が基本。10代だとクレカ持ってないよね? コンビニ決済なんかより、書店に行くほうが早いだろ?」
逆に40代がネット通販を利用しているのも、別にリアルの本屋が嫌いになるから、というわけではないらしい。「おっさんは忙しいんだよw」「年をとると長時間本屋を歩き回って本を探すのは苦痛になるのじゃよ」と多忙や体力の衰えをアピールする声のほか、
「大人になるとね、レジに出しにくい本をネットで買うようになるのよ…」
といった意味深なものもある。各世代には調査結果の数字だけでは分からない、さまざまな書籍購入事情があるようだ。
10代では「電子書籍」増えているのでは?
今回の調査では、紙の書籍を「ネットで買うか、書店で買うか」という二択だったが、この感覚は古いのではないかと見方も。千葉県の書店でアルバイトをする20代のAさんは、10代の読書習慣を考えれば「電子書籍という選択肢も入れるべき」と指摘する。
Aさんによれば、10代のお客が書店で購入しているのは、「漫画とライトノベル」が圧倒的に多く、特に漫画は電子書籍で買える手段が増えているという。
決済方法も多様になっており、たとえばスマホで漫画が読めるアプリのLINEマンガは、iTunesカードで支払いを行うことができる。漫画購入者には、LINEで使用可能なスタンプが特典で貰えることもある。
「LINEで1~3巻が無料公開された漫画は、書店で4巻以降が売れることもよくあります。スマートフォンで漫画を読んでいる人が増えている証拠じゃないでしょうか」
集英社が昨年リリースしたアプリ「少年ジャンプ+」は、週刊少年ジャンプやコミックスが購入でき、支払いを携帯料金とまとめることが可能だ。講談社も今年1月に全コミック誌を、紙と同時に電子版で配信することを決定した。冒頭の調査結果も電子書籍を選択肢に加えることで、今後の結果が変わってくるのでは。
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