オリジナルキャラクターの高崎くす子ちゃんを描いた“痛車”を使用し、JRC全日本ラリー選手権に参戦するCUSCOジュニアラリーチーム。今回、チームのドライバーを務める番場彬が、イメージガールの生くす子ちゃんズを引き連れてオートスポーツweb編集部を訪れ、今シーズンに向けた意気込みを語ってくれた。
CUSCO Racingのジュニアチームとして活動しているCUSCOジュニアラリーチームは、これまでもプロトン・サトリアネオ等を全日本ラリー等に送り込み、若き才能を発掘してきたチームだ。チームは先月、2014年途中から休止していた全日本ラリーの活動を復活させ、2015~16年の2カ年計画で限定復帰することを発表している。
先月の発表では、今季は第3戦福井、第6戦群馬、第9戦愛知へスポット参戦し、16年の王座獲得を狙うとしていたCUSCOジュニアラリーチームだが、今回急きょ4月10日に迫ったJRC開幕戦ツール・ド・九州にもスポット参戦することを明らかにしてくれた。チームが使用するマシンはまだ準備が整っていないため、CUSCO Racingからトヨタ86をレンタルする形での参戦となる。また、未定となっていたコドライバーは北海道出身の亀森隆志が務めることになった。
チームのドライバーを務める番場は、2011年~12年のアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)に参戦し、ジュニアカップ王者を獲得した経験を持つ。ラリーに参戦するのは2年ぶりで、国内のラリー参戦は2010年以来のこととなるが、「海外で走っていた経験が活きてくると思います」と番場。
「開幕戦に関しては、2008年と2010年に走っていて、まったく知らない道ではありませんし、第3戦の福井は初開催の場所なので、少し楽かなと思っています。新しいクルマ、新しいコドライバーなので、未知の部分は多いですが、新しいものが好きな性格なので、不安というよりワクワクしていますよ。すごく楽しみです」
昨年、番場はTRDラリーの指導役としてコドライバーを担当し、ツール・ド・九州に参戦していたという。初めてのコドライバー体験に、「どれだけコドライバーが大変か痛感しました」と語った。
「ドライバーとは、全然やる仕事が違いますね。ラリー全体の流れを把握していないと出来ないことだなと思います。ただ慣れてくれば、すごく楽しい仕事だと思いました。ラリーのルールも少し分かりました(笑)」
また2年ぶりのラリー復帰にあたり、なぜこのチームを選んだのか聞くと、番場は「チームの体制に惹かれました」とコメント。
「海外のラリーチームは、お客さんに見てもらうことを重要視しています。ラリーはスポーツとしてだけでなく、エンターテインメントとしての側面もありますが、日本のラリーは、その部分が弱いと思っています」
「イベントとしてのラリーをもっと盛り上げていくために、オリジナルキャラクターのくす子ちゃんやイメージガールのくす子ちゃんズがいる、このチームを選びました」
番場のコメントに続けて、チーム代表を務める松井悠氏も、チームとして積極的にラリーを盛り上げることを念頭に置いていると語り、「公道を使う競技なので、多くの人にラリーを認知してもらわないといけないと思っています。業界全体を盛り上げないと、若いドライバーも育たなくなってしまいます。そこにドライバーも共感してくれたんだと思います」とコメントした。
海外ラリーチャンピオンと痛車という“異色”コンビで、JRCに参戦するCUSCOジュニアラリーチーム。彼らの活躍に注目して欲しい。チームがスポット参戦するJRC開幕戦ツール・ド・九州は、4月10日~12日に開催される。