厚生労働省は3月13日、省のサイトに「労働者派遣法の見直しについて」というページを新設した。今通常国会に提出した改正派遣法案や関連資料を掲載している。
この中に「労働者派遣をとりまく現状と課題について」というPDF資料があり、現状のどのような問題・課題に対し、改正法案がどう手当てするのかが整理されている。
調査では「正社員」と「今後も派遣」が半々に
改正法案が対応するポイントは4つ。1つめは「業界の健全化」で、これまで派遣事業者の中には悪質な者も存在したと認めたうえで、すべての労働者派遣事業を許可制とし、派遣労働者のキャリア形成支援制度を持つことを許可要件に追加する。
2つめは「雇用安定措置の義務化」。これまでは派遣期間の上限で雇い止めになるケースも多く、雇用の不安定性があったが、「派遣先への直接雇用の依頼」「新たな派遣先の提供」「派遣元での無期雇用」などによる安定措置を義務化する。
3つめは、業務の種類によって期間制限が異なる現行制度を「個人単位および事業所単位の期間制限」に変えること。派遣先事業所全体の派遣労働者について3年の上限を設け、延長には過半数組合等のチェックが必要とする。
4つめは、派遣労働者の多様な働き方へのニーズに応えるため、計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングにより「正社員への道を開く」一方、派遣労働者として働くことを希望する人の「待遇の改善」を図る。
なお、平成24年の厚生労働省の実態調査では、派遣労働者で働いている人の43.2%が「正社員として働きたい」と希望する一方で、43.1%が「(引き続き)派遣として働きたい」と答えていた。
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