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バン・デル・ガルデ、ザウバーとの和解でF1キャリアに終止符

2015年03月18日 23:10  AUTOSPORT web

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ギド・バン・デル・ガルデ
18日、ギド・バン・デル・ガルデは、ザウバーF1チームとのドライバー契約を双方合意のうえで終了、和解に達したとの声明を発表した。

 バン・デル・ガルデは、ザウバーのリザーブドライバーを務めていた2014年6月に、チームが今季のレースドライバーとして起用するオプションを行使しながら契約を破棄したとしてチームを提訴。スイスとオーストラリアいずれの判決でも、レースドライバーとして出場する権利を勝ち取った。

 一時は、契約を盾に開幕戦にも出場する構えを見せていたバン・デル・ガルデだが、その後、オーストラリアでは「F1の利益のため」にレースに出場する法的権利を放棄すると発表。ザウバーとは引き続き交渉し、相互に容認できる解決策を見出したいとコメントしていた。

 しかし彼はここにきてザウバーからの賠償を受け入れ、これ以上争わないことを表明。また、この問題とともに自身のF1キャリアも終わったとの考えを示した。

「我々はザウバーと和解に達し、チームと僕のドライバー契約は双方の合意によって終了した」と、バン・デル・ガルデは自身のFacebookに綴っている。
「情熱的なレースドライバーとして、悲しく思っているし、非常に失望している」
「8歳でゴーカートを始めて以来、自分の夢のために過ごし、F1ドライバーとして成功するためにすべてのキャリアにおいて懸命に働いてきた」
「ようやく、2015年シーズンにこの評判高い中堅チームのマシンを駆り、自分に何ができるのかを証明することができるのだと期待していた」
「しかし、その夢は奪われ、おそらくF1での将来も終わったと理解している」

 彼は、自身のスポンサーが資金を支払ったことで、ザウバーが昨年破綻することなく存続できたと語っている。
「この一週間、多くの推測がメディアにおいてなされてきたので、ハッキリさせておきたい。僕のスポンサーは、15年シーズンに関するスポンサー料を全額、2014年の前半にザウバーに支払った」
「これは単に善意によるもので、チームが当時直面していた資金問題を助けるものだった。事実上、2014年にチームが存続することができたのは僕のスポンサーが前払いに応じたからだ」
「今回のケースにおけるザウバーの財政的な判断は信じられないし、僕にはその意味が理解できない」
「詳細を勝手に話すことはできないが、ザウバーは僕との契約を履行しないために重要な補償を支払った。その点だけは、僕の権利が最後に認められ、少なくともいくらかの正義が示されたと納得することができる」

「裁判所によってチームのマシンが差し押さえられたことで、間違いなくメルボルンの開幕戦は損害を受けただろう」
「それは、マーカス・エリクソンとフェリペ・ナスルの若いドライバーふたりのキャリアを台無しにしたかもしれないし、チームディレクターでさえ拘束されたかもしれない」
「しかし、たとえ僕の置かれたこの異様な状況の責任がすべてチームの経営陣にあるとしても、そのようなことは受け入れられないと判断した」

 バン・デル・ガルデは最後に、今回の自身の問題を教訓に、今後はドライバーの権利を保護する規則が設けられることを望むとし、新たなチャレンジにについても言及した。
「僕は、LMP1カーでWEC(世界耐久選手権)とル・マン24時間に参戦したい。元F1ドライバーは、このシリーズにおいて非常にうまくやっている」
「2016年以降はDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のような他のシリーズにも目を向けている」