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スーパーGT岡山公式テストに参加した佐藤公哉「複雑なレースだと思う」

2015年03月18日 21:30  AUTOSPORT web

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佐藤公哉が岡山でドライブしたマネパ ランボ GT3
3月14日~15日に、岡山国際サーキットで開催されたスーパーGT公式テスト。このテストでは多くの第3ドライバーもGT300クラスで走行したが、その中でも大いに注目と言えたのが、JLOCからマネパ ランボ GT3をドライブした佐藤公哉だろう。

 公哉は2009年~10年に全日本F3を戦った後、ヨーロッパに渡りユーロF3、ドイツF3等に参戦。2013年からはAUTO GPに参戦し、14年にはチャンピオンを獲得。またGP2にも参戦したほか、14年はザウバーからF1テストドライブも果たした。

 そんな公哉が、突如としてGT300をドライブすることになったのはどんないきさつなのだろうか。テストを終えた後、直接聞いてみるとこんな返答が返ってきた。

「ちょうど帰国していたのですが、紹介もありJLOCの則竹功雄会長から直接お声をかけていただきました。『体が空いているのだったら』とテストが実現した形ですね。こうしていきなり乗せていただくような機会はなかなかないですから」と公哉。

 迎えた岡山でのテストは、織戸学、平峰一貴とともに88号車ランボルギーニ・ガイヤルドLP560-4を体験。これまでフォーミュラを戦ってきた公哉にとって、ハコ車はかつてスーパー耐久でニッサン・フェアレディZをドライブした以来だ。今回は2日間で30周ほどをドライブしたというが、どんな印象だろうか。

●初めてのGT3カーは難しい! GT500は率直に『恐い』
「GT3カーに乗るのが初めてなんですけど、パッと乗った印象としては難しいです。フォーミュラでもいろいろありますが、ただブレーキを頑張って、出口でアクセルを早く踏むだけではタイムが出ないんです。そこで悩んでしまいましたね。タイヤの使い方とか、こういうGTカーの乗り方みたいなものがあるみたいです」

「正直、コンディションも刻一刻と変わっていきましたし、まだよく分かっていない部分もあります。ロガー上ではどこで負けているのかも出るんですが、ここでブレーキ頑張らなきゃいけないとか、コーナーのミドルスピードを上げなければいけないとか、やることは分かるんです。ただ、それをやったからといってタイムが出る訳ではないんです(苦笑)」

 また、「単純にロガーどおりにさせてもらえない」と公哉を驚かせたのが、スーパーGTならではの混走。岡山国際サーキットは全長も短くタイトで、今回はGT500が15台、GT300が24台と非常に多くのマシンが走っていた。

「GT500との速度差がすごいんです。GT500は昨年から新車になりましたが、本当に速いです。率直に、この2日間乗ってみて恐かったです。バックモニターに迫ってくる感じもそうですし、ゴリゴリ来ますからね」

「当たり前なんでしょうけど、GT500を処理しつつ、難しいクルマに乗りながら、同じクラスとも戦わなければならない。スーパーGTは複雑なレースなんだと感じました」

●多くのものを得たテスト。そして今季は……?
 そんなスーパーGT初テストを終えた公哉だが、「来て良かった」という。それは、ハコレースで非常に大きな経験をもつ織戸と、スーパーGT初のフル参戦を控える平峰とともに仕事をしたということ。フォーミュラだけでは得られない経験をすることができたという。

「いまいちパフォーマンスは発揮できなかった気がしますが、乗せて頂いて織戸さんや平峰君といった経験があるドライバーからいろんなことを学ぶことができました。特に織戸さんからはいろんなことを知ることができた。フォーミュラばっかりやってきた自分からしたら、全然違う新しい世界でしたね」と公哉は言う。

 今回、スーパーGTのテストを体験した公哉だが、実は2015年のレース活動は「まだアナウンスできていない状況」だ。オフにはGP2のテストにも参加したが、GP2の今季参戦は「ないですね」とのこと。

「もしかすると今季どこかでスーパーGTに出られるかもしれません。乗るチャンスがあればぜひ乗ってみたい。それまでにちゃんとタイムを出せるようにしたいですけどね(笑)」

「本当はもう、今年はどこから出るというのを発表して開幕の準備をしなければいけないんですが。スーパーGTも重要なオプションとして活動していきたいと思います」