ヨーロッパのフォーミュラカーレースで、F1を目指し単身戦っている18歳の日本人ドライバー、笹原右京が2015年、ARTジュニアチームからフォーミュラ・ルノー2.0シリーズを戦うことになった。
群馬県沼田市出身の笹原は日本国内のレーシングカート界で多くのタイトルを獲得した後、2009年にROTAX MAX世界一決定戦で日本人として初優勝。レーシングカート界では快挙と言える成績を残した。その後四輪にステップアップし、2013年からフォーミュラ・ルノー2.0 ALPSに挑戦。14年はNECシリーズに挑戦したほか、スポット参戦したイタリアのFIA-F4でいきなり優勝を飾っている。
そんな笹原は、今シーズンに向けヨーロピアンF3のテストに参加したほか、ARTジュニアから「一緒にやろう」とオファーを受けていた。しかし自動車メーカーの後ろ盾だったり、豊富な資金源をもたない笹原にとっては、シート獲得は至難の業。今のモータースポーツの世界では、速いだけで上に行くことは不可能に近い。
しかし、ARTジュニアの熱意により笹原のチーム加入が決定した。今季笹原はフォーミュラ・ルノー2.0シリーズのNECシリーズで開幕を戦い、その後はFルノー2.0最高峰のユーロカップへステップアップ。スペイン・アラゴンでの開幕戦を戦い、シリーズを通して参戦する。
ARTジュニアは、GP2やDTMにも参戦するフランスのトップチームのひとつである、ARTグランプリのジュニアチーム。Fルノー2.0ユーロカップでも上位チームのひとつであり、笹原にとっては素晴らしいチャンスと言える。
「皆さまのご支援とご声援を受けて、2015年シーズンも引き続きヨーロッパでレース活動できる準備が整いました。今季から所属するARTジュニアチームは熱意を持って僕を迎えてくれましたし、昨季まで2シーズンを過ごしたチームも快く僕を送り出してくれました。これまでお世話になったすべての皆さまの顔を思い浮かべ、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!」と笹原。
「過去2シーズンのフォーミュラカーレースでは、スポット参戦したイタリアのFIA-F4で優勝したものの、フル参戦した2013シーズンのALPSや2014シーズンのNECでは最高位2位で、日々勝利に飢えていました」
「この悔しさを晴らすため、さまざまなオファーの中から自分が納得できる環境を選びました。高い目標に向けてチームとともに臨んでいく過程を想像すると、今から楽しみで仕方ありません」
ヨーロッパで単身戦う笹原にとって最高のチャンスとなりそうな1年で、ファンにとっても非常に楽しみなところ。だが同時に、結果を残さなければならない1年と言える。ヨーロッパからのさらなる朗報を待ちたいところだ。