今年からWEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦するニッサン/ニスモが、シリーズ開幕2戦を欠場することになったと英AUTOSPORT.comが伝えている。シリーズ第3戦となるル・マン24時間を見据えてテストプログラムを行っていくという。
WEC/ル・マンの最高峰カテゴリーとなるLMP1クラスに今年から投入されるニッサンGT-R LMニスモは、ライバルたちのコンセプトとは一線を画するFFレイアウトを採用。WECには2台体制でフルシーズンエントリーしているほか、ル・マンには3台目のマシンを投入することも発表されている。
先日発表された開幕戦シルバーストンのエントリーリストにも2台体制で名を連ねていたニッサン。ただ、今月初めのセブリングテストを早期に打ち切ったことを含む開発プログラムの遅れから、開幕2戦となるシルバーストン戦とスパ戦の欠場を決定。ル・マン24時間に向けてテストを続けていくことになった。なお、今月末のシリーズ公式テストも欠席する。
「今年の主要な目標は、常にル・マンだったんだ。だから、我々はそこに再び集中することを決めた」と説明するのは、ニスモのグローバルヘッドオブブランド/マーケティング&セールスのダレン・コックスだ。
「このような特殊なマシンでいくつかの課題に直面していることは隠さないよ。だから今、我々は4月と5月にレースをするよりもテストをしたいんだ」
またコックスによると、WECやFIAもニッサンの決断に対して「非常に協力的」だったという。WECのCEOを務めるジェラール・ヌブーは、ニッサンの開幕2戦欠場について次のようにコメントしている。
「シーズン開幕を欠場するマニュファクチャラーはニッサンが初めてではないし、また最後にもならないだろう。かつてのトヨタも同様だったが、彼らは今やワールドチャンピオンだ」
「LMP1のハイブリッドプログラムを作り上げるのは非常にチャレンジングだ。時間がかかるものだが、ニッサンがル・マンからWECのLMP1のグリッドに並ぶだろうと確信しているよ」
また、GT-R LMニスモがクラッシュテストをパスできなかったという話もささやかれているが、コックスはこの点に関しては認めなかった。これに関しては、フロントロールストラクチャーに小さな問題が発生したのではないかと考えられており、再調整の後、再来週にも再びテストが行われる予定だと見られている。
なおニッサンは、今月初めのセブリングテストを2日間で打ち切って以降、ここまでテストを行っていない。ただコックスによると、開発は来週からアメリカで再開されるということだ。また、開幕2戦を欠場するニッサンだが、開幕戦シルバーストンでは会場にショーカーを持ち込むとともに、ドライバーたちも現地に登場する予定だということだ。