ワークスチームとして再びF1参戦することを検討しているフランスの自動車メーカー、ルノーが、チーム買収の候補をトロロッソに絞っていることが明らかになった。
現在、レッドブルとトロロッソのパワーユニットサプライヤーとしてF1に関与しているルノーは、V8エンジン時代の2010年から13年までレッドブル・ルノーとしてダブルタイトル4連覇を達成してきた。
しかし彼らは、そうした偉業で得られた恩恵に少なからず不満を抱いており、2チームにパワーユニットを供給する今のやり方がルノーにとって最大の利益を得る方法なのかを、真剣に評価している。
ルノーは、チーム買収の可能性を含め、ザウバーやフォース・インディアなど複数のチームを訪問、昨年までのパートナーで旧ワークスチームのルノーF1を引き継いだロータスとも交渉を持ったと考えられている。
また、ルノーのアンバサダーを務める元F1ワールドチャンピオン、アラン・プロストが、ワークスチームでの参戦が現状を進展させる方法だと、同社の重役会ならびにカルロス・ゴーンCEOを納得させたと言われている。
現在、ルノーが買収候補のトップに挙げているのがトロロッソだ。フォース・インディアやロータスは、チームの負債を引き継ぐ必要があるためより高価になるが、イタリアのファエンツァに拠点を置くチームは負債がない。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、メルボルンで次のように語っている。
「STR(トロロッソ)を売却するかもしれないが、だからといってそうしなければならないわけではない」
さらに彼は、トロロッソを売却してもレッドブルの若手育成プログラムが失われる可能性を否定した。
「ルノーがSTRを引き継いだとしても、我々は協力していく」
チーム代表のフランツ・トストも、トロロッソがワークスチームになることを受け入れる姿勢をみせている。
「それは我々にとって次のステップになるだろう」とトスト。
「トロロッソがマニュファクチャラーと一緒になるのは、いいことだろう」
「我々にとっても、チームにとってもポジティブなことだ」
トストは、“3週間か4週間前”にルノーがファクトリーを訪問したと付け加えた。
「彼らはすべてを見ただけで、今のところ交渉の話は全くない」
ルノーF1のマネージング・ディレクターであるシリル・アビテブールは、同社がロータスやフォース・インディア、ザウバー、そしてトロロッソを訪問したかどうかについて、コメントを避けている。
「唯一言えるのは、定期的にトロロッソを訪問しているということだ。カスタマーチームだからね」
アビテブールは、ルノーが訪問したチームのひとつを買収候補として考慮しているかと問われると、次のように答えた。
「我々は、自分たちのマーケティング・ストーリーを発展させることを考えている」
「我々が調べているのは、F1からの費用対効果を改善させることだ」
「1年以内にやるつもりだが、短期的な将来のためではない。容易になされるべきではない重要な決定だ。とにかく今年のためではない。まだ多少の時間はある」
「レッドブルとも2年契約がある。我々は今よりより良い方法で彼らへ敬意を示したい」
「レッドブルとトロロッソにとって正しい方法を得ることが優先だ」