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F1現地直送:ソフトウェアが買えず、走れないマノー・マルシャに届いた一通の通達とは

2015年03月14日 21:40  AUTOSPORT web

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開幕戦に姿を現したものの、まったく走っていないマノー・マルシャ。資金難でソフトウェアが手配できないようだが、今後はどうなる?
なんとか滑り込みで2015年シーズンへのエントリーを済ませたマノー・マルシャ・チーム。だが、残念ながら開幕戦オーストラリアGPではフリー走行3回目まで、まったく走行できていない。

 その理由は、昨年末に管財人の管理下に置かれていた際、売却に備えて、パワーユニットを動かすためのソフトウェアがコンピュータ内のデータとともに消去されてしまっていたからだった。

 しかし、問題はそれだけではない。資金不足から、いまだソフトウェアを提供してもらうことができないままなのである。

 現在マノー・マルシャの車体に搭載されているパワーユニットは2015年型ではなく、1年落ちの2014年型なのだが、新品ではなく、昨シーズンのグランプリで実際に使用された中古のパワーユニットだ。

 しかも、フェラーリのファクトリーで分解してメンテナンスしたものではなく、2014年に使用したままの状態。3月12日に、FIAのスタッフがパワーユニットをホモロゲーションしようとマノー・マルシャのガレージに入ると、前年に施した封印用のシールがそのまま残っていて驚いたという。

 また、チームの主要スタッフがサーキット入りする水曜日の3月11日に、ピレリのトップマネージメントのひとりがマノー・マルシャのチームオフィスの前でずっと待っていたので理由を尋ねると「オーストラリアへ出発する前に何度か連絡していたんだが、連絡先が新しくなったようで、つながらなかったんだ」と言う。

 どうやらマノー・マルシャの状況は「とりあえずメルボルンへ行く」だけで精一杯だったようだ。

 こうして迎えた公式予選で、タイムアタックに出なかったマノー・マルシャを見て、驚く者はいなかった。しかし、レース審議委員会は午後6時03分、一通の通達を出す。

「本日の午後8時までに、なぜ予選に参加しなかったのかというレポートを提出すること」

 果たしてマノー・マルシャの運命は、いかに。

(尾張正博)