NASCARは11日、元交際相手への暴力行為により無期限の参戦停止となっていたカート・ブッシュがシリーズに復帰することを発表した。
2004年シリーズチャンピオンのブッシュは、昨年9月に元交際相手のパトリシア・ドリスコールに暴行を加えたとして、警察の捜査を受けていた。また今年2月には、デラウェア州の家庭裁判所が、ドリスコール側の要求を認める形でブッシュに対する保護命令を発令した。NASCARはこれを受けて、今季開幕戦のデイトナ500の決勝レースを前に、ブッシュを無期限の参戦停止処分としたことを発表した。
ただ今月、デラウェア州の司法長官が、ブッシュに対する刑事告発を行わないとする声明を発表。NASCAR側はブッシュについて、「刑事告発されなかったからといて即座に復帰できるわけではない」としながらも、彼が復帰のためのプログラムに積極的に参加していることを明らかにしていた。
そして11日、ブッシュに対する参戦停止が解除されたことが発表された。NASCAR取締役副社長のスティーブ・オードネルは、刑事告発の可能性がなくなったことがブッシュの復帰に向けての大きな要因となったのだと明かし、次のように語った。
「我々は彼を無期限の保護観察とするとともに、(全戦に参戦しなくてはならないという)チェイスの条件も撤回することを決定した。彼は、参戦停止の期間中に復帰プログラムを完全に終えており、彼の評価を行ったヘルスケアの専門家も、即時の復帰を推薦している」
参戦停止となったブッシュだが、今後も治療プログラムへの参加などが義務付けられているほか、どのような法的な要求にも応じるという前提のもとでの無期限の保護観察となっている。ブッシュは、今週末に行われるシリーズ第4戦フェニックスから、スチュワート・ハース・レーシングの41号車を再びドライブする予定だ。