今シーズンからWEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦するエクストリームスピード・モータースポーツ(ESM)は、これまで予定していたHPD ARX-04bの投入を延期し、オンローク・オートモーティブ製のリジェJS P2を新たに購入したことを明らかにした。
北米スポーツカーレースで活躍してきたESMは14年シーズン、北米ユナイテッド・スポーツカー(USCC)のLMP2クラスに参戦。WECのLMP2クラスにもスポット参戦していたが、15年シーズンは2台体制でWECにシーズンエントリーしている。
昨年まではHPD製のオープントップLMP2、ARX-03bを使用していたESMだが、今季はHPDが新たに開発したクローズド車両のARX-04bを2台購入。すでに今年1月のデイトナ24時間で実戦にも投入していた。
ただ今回、ESMとHPDは、WEC参戦のためにFIAのホモロゲーションを取得する前に、マシンにさらなる改良を施すことを決定。FIAのホモロゲーションを取得すると、以降3年間は開発凍結となってしまうため、WECへの新車投入は延期されることになった。
チームの共同オーナー兼ドライバーのスコット・シャープによると、3月初めに行ったフルスケールの風洞テストと、先週セブリングで行った5日間のテストの後、今回の決断が下されたということだ。これにより、チームは急きょ、オンローク製のクローズドLMP2であるリジェJS P2の購入を決定。このマシンにHPDエンジンを搭載してWECに投入することになった。またシャープは、今季中にARX-04bを投入する可能性を否定している。
なお、リジェの供給は第2戦スパからになるということで、開幕戦シルバーストンにはARX-03bが投入される見込みだ。ESMは3月21日に開催されるセブリング12時間にARX-03bを投入したのち、3月末のWEC公式テストに向けてマシンをポールリカールに送る予定だということだ。