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「人類の叡智に対する挑戦だ」 大江健三郎さんと鎌田慧さんが「原発再稼働」を批判

2015年03月10日 20:41  弁護士ドットコム

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原発の再稼働に反対する活動を展開しているノーベル賞作家の大江健三郎さんとジャーナリストの鎌田慧さんが3月10日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。福島第一原発の大事故からまもなく4年を迎えるのを前に、大江さんは「日本の政治家には、事故に対する反省や再出発という意思がまったくない」と批判した。


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大江さんと鎌田さんは2011年の福島第一原発事故以降、脱原発や再稼働反対の集会や活動を呼びかけてきた。今年5月3日には、横浜市で3万人規模の集会の開催を予定しているという。2人は会見で、来日中のドイツのメルケル首相と日本の安倍首相の「原発」に関する発言を紹介し、日独の首脳のスタンスの違いを指摘した。



●「日本の政治家は、批判する声に耳をかさない」


メルケル首相はこの会見の前日、東京都内で開かれた講演で「ドイツが脱原発に踏み切ったきっかけは、福島の原発事故だった」「別のエネルギー制度を築くという政治的決断を下した」と「脱原発」について語った。一方の安倍首相は同日、メルケル首相との共同記者会見で、「世界で最も厳しい、原子力規制委員会が決めた基準をクリアしたものについては科学的見地から再稼働していきたい」と述べた。



両者の発言をめぐって、大江さんは「ドイツの政治家と日本の政治家の違いを言い表している」と指摘。「日本の政治家は、大きな原発事故、福島の悲劇がありながら、別の方向に作り変えていく政治的意思を持っていない。事故に対する反省や再出発という意思がまったくない。批判する声にもまったく耳をかさない」と語った。



鎌田さんは「(事故から)明日で4年になるが、収束に向かうというよりも、日本社会の分裂に向かっている」と話した。今なお11万人以上が避難生活を送っている状況を踏まえたうえで、「福島の人の居住権を奪っておいて、原発を再稼働しようとするのは、人類の叡智に対する挑戦であり、卑劣な犯罪だ」と述べた。


(弁護士ドットコムニュース)