仕事上のプレッシャーで「胃がムカムカする」「吐きそう」という経験があるビジネスパーソンは、意外と多いかもしれない。それを乗り越えると確かに、なんだか自分がレベルアップした気がする。
米ビジネスサイト「Inc.」は、そんな緊張を感じた人の例を紹介した。約11年の歴史があるラジオ番組のパーソナリティは、番組立ち上げの頃に「胃がひっくり返る」ような吐き気に悩まされていたそうだ。
「吐き気で胃が爆発しそうでも大丈夫」
何かを新しく始める仕事は暗中模索が多く、プレッシャーが大きい。このパーソナリティは「生き延びるために逃げなければ」と身体が言っているようだったという。
胃の機能が止まったのは、生命の危機を感じ、逃亡に必要なシステム以外を身体が止めたからかもしれない。しかしパーソナリティは番組を続け、多くの聴取者を獲得するに至った。
「吐き気で胃が爆発しそうでも、正しい道を歩んでいると思えたら大丈夫。それが自分の仕事に取り組んでいるということだから」
この記事は2015年3月9日にライフハッカー日本版で紹介され、話題を呼んでいる。テーマは主に「吐き気がするまで仕事をすることが、正しいのか否か」だ。
記事では心理学者のエリクソン氏が「世にも最悪な気分であることを自覚し、見直すことができたら、その気分は突如として解決法に変わることがある」と指摘している。不快な気分から逃げずに、なすべきことに直面すべきという意味だろう。
「吐き気がするまで仕事をすることが正しい」と賛同する意見は、たいてい自分自身か周囲にそうした経験があるようだ。確かに、厳しい仕事や自分のレベルを超える仕事は、人を成長させる糧になるかもしれない。
「定年間近の物凄いプログラマが、新しいことを始めると今でもストレスで眠れなくなるよ。と言ってたのが、心の支えになっている」
「若い頃、若白髪の人や禿げあがった人、ストレス太りの人、色々見たがそういう人は大抵仕事が出来て、人望もあるような人が多かった。髪の毛を失うくらいの覚悟がないとダメなのだろうか」
「緊張感と、過度なストレスは別」の声も
その一方で「緊張感と、過度なストレスは別」という人も多い。もちろん緊張感を持つことや、自分の能力を少し超えた仕事にチャレンジすることは良いことだ。しかし「吐き気」までいくと別なのでは、という意見も多くあがっている。
「吐き気がするくらいのプレッシャーを感じていたら、健全な状態ではないです。このような精神論が蔓延することで、ますます鬱病患者が増える気がする」
「そこまでプレッシャーを感じるなら、逃げるのも手だと思うんだけどな。限界を見極めるのも一つの才能」
中には、吐き気は「正しい道を進んでいる証拠」とするライフハッカーの見出しに、「正しい道に進んだかどうかってあとからわかるでしょ? 結果論じゃん」と突っ込んでいる人がいた。確かに吐き気だけで、方向性の正しさを保証することは難しそうだ。
また、吐き気までいかないように「程よいプレッシャーに調整してあげるのがリーダーの役目」だと、周囲のサポートを重視する声もあがっている。