8日、開催2日目を迎えた鈴鹿サーキットの『モータースポーツ感謝デー』の中で、星野一義と中嶋悟によるエキシビションレース『第6回 永遠のライバル対決』が行われ、好天のもと、ふたりの腕がぶつかり合う白熱のバトルが展開された。
鈴鹿ファン感では毎年恒例ともなっている星野と中嶋の“ライバル対決”。これまで5回の対決が行われてきたが、今年はワンメイクのエントリーフォーミュラ『FC106』を使用してのバトルが実現し、完全イコールコンディションでの腕比べに注目が集まった。
ファン感初日となる7日に行われた第1レースでは、小雨の中、シグナルを大胆に無視してのフライングをかました星野が、最後まで圧倒的なリードをキープしてトップチェッカー。勝敗はグランドスタンドを埋めるファンの拍手の量で決定することとなり、僅差で星野が勝利を収めた。
そして迎えた2日目。好天に恵まれたこの日も、星野と中嶋のレジェンドふたりは、前日同様かな~りリラックスしたムード。中嶋が「(星野に)そろそろベルトをあげないと来年来なくなっちゃう(笑)」と茶化すと、星野も「オレは1度もベルトを巻いたことないんだよ? わかってる?」とプレッシャーをかけて応戦。中嶋は「まあ、走りながら考えますわ(笑)」とあっけなくスルーしていた。
東コースの3周で争われるレースは、星野がポールポジションにつけた。ただ、この日もスタートで“ハプニング”発生。前日は星野がフライングをかましたが、今回はなんと両者ともシグナル点灯中にスタート! ただ、ほぼ同時にフライングしたことで、奇しくもこの日は序盤から接近した戦いとなった。
1周目は優位に進めた星野だが、最終コーナーで姿勢を乱すと、中嶋はその機を逃さずホームストレートで並びかけていく。星野も、ポジションを死守しようと現役時代さながらの幅寄せを見せるが、ここは中嶋が先行。FC106のイコールコンディションを活かした腕と腕のぶつかり合いに、スタンドからも大歓声が上がった。
ただ、今度は中嶋が1コーナーでコースアウトし、その間に再び星野が先行。そのまま最後までポジションを守り切り、この日は文句なしのトップチェッカーを受けることとなった。
グランドスタンド前に戻ってきた星野は、そのままマシンを止めるかと思いきや、喜び余ってかなんとその場でドーナツターン! マシンを降りると大きなガッツポーズを見せた。一方の中嶋は、開口一番「あんなに寄せたらぶつかるっつ~の(笑)!」と話しながらも笑顔。「何十年か前によくやられたのを思い出したよ。だから意地でも行っちゃった(笑)」とバトルを振り返った。
また星野も「中嶋が執拗に攻めてくるから、やめろってんだけどアクセル踏んだらズルっといっちゃった(笑)」と、最終コーナーでの失速を回想。とはいえ、結果としては星野が2勝を飾ったことから、栄冠のチャンピオンベルトが星野に初めて巻かれることになった。通算戦績も星野が4勝、中嶋が3勝、そして引き分けが3回となり、星野が勝ち越して今回の第6ラウンドは幕となった。
また星野は、“チャンピオン”獲得の喜びからか「来年はもっと速いクルマでやるから!」と大胆に宣言。今回も、当人たち、そしてファンも終始笑顔が絶えなかった“永遠のライバル対決”。次なる戦いも楽しみにしたいところだ。