WRC世界ラリー選手権第3戦メキシコのデイ1で、湖に転落したオット・タナクのフォード・フィエスタRS WRCが、Mスポーツのメカニックにより修復され、デイ2へ復帰することとなった。
タナクのマシンは、デイ1最初のステージをスタートした直後にコースオフし、湖へ転落。ドライバーたちは無事に脱出したものの、マシンは湖の底へ沈んでしまっていた。
大会主催者は、事故現場へダイバーとクレーンを派遣し、マシンの回収作業を実施。水没から約10時間後に、マシンは湖の底から引き揚げられた。
回収されたマシンは、FIA国際自動車連盟の検査を受けた後、チームのもとへ。チームクルーは、ギアボックスや燃料タンク、冷却系や電気系のパーツ、前後のサスペンションなど、マシンのあらゆる部分のパーツを交換するとともに、エンジンの水抜き作業を敢行。約3時間でマシンを修復してみせた。
「みんなには無謀な挑戦に思えただろうけど、チームのメカニックならやり遂げてくれると確信していた」とタナク。
「チームのみんなを本当に尊敬している。大変な作業だったと思うけど、全力で仕事をしてくれた。クルーのひとりひとりに感謝しているよ」
タナクのコドライバーを務めるライゴ・モルダーは、マシンが湖に落ちてから脱出するまで、ペースノートを手放すことはなかった。
ラリー・メキシコのエントリー台数が少ないこともあり、タナクはトップから55分遅れにもかかわらず、総合29番手でデイ2へ復帰する。