NPO法人労働相談センターが運営するレイバーネットに、「職場のいじめ」に関する相談メールの概要が掲載されている。2014年12月に労働相談センターと東京東部労働組合に寄せられた相談の中から、20件がまとめられている。
今回も劣悪な職場環境が満載だが、中でも目に付くのが上司から暴言や脅迫を日常的に吐かれているケースだ。全国展開するファミリーレストランの準社員だという女性からの相談は、このようなものだ。
「店長やマネージャーのボディタッチや、『テメー』『使えねえー』『死ねよ』『ばっかじゃないの』などの罵倒や、ダスターや皿を投げつけてくる暴力にもう我慢できません。病気で休んだら店長は、私の自宅に夜10時に1分おきに電話をかけてきて『今すぐ診断書を持ってこい』と命令してくる。いやらしいボディタッチもうんざりです」
「この職場環境がおかしいと判断できなくなっている」
この女性はパワハラ、セクハラに加えて直接的な暴行も受けている。それも複数の男性上司からだ。1分おきの電話など、どう考えても異常でストーカー並み。本部は連絡を受けたら直ちに対応すべきだ。
別の相談では、上司から「給料泥棒!」などの罵声や、「家族に危害を加えるぞ」「さらうぞ」などの脅しを浴びせられながら、「生活が苦しいからお金を貸してほしい」と頼まれて計40万円を貸しているという訴えもあった。なぜ応じるのかと疑問に思うが、
「今では私のクレジットカードにまで目を付けて、手を出そうとしている。私は、今のこの職場の環境がおかしいとの判断すらできなくなってきている」
と明かすところを見ると、精神的に追い込まれると健全な判断力が失われてしまうようだ。「ブラック企業なら辞めればいいのに」という周囲の助言が効きにくいケースにも通ずる。弁護士会の法律相談などを利用した方がよさそうだ。
社員の中傷や「丸坊主の強要」も
12月という時期もあり、飲み会にまつわる相談もあった。
「新年会で、社内の個人を特定して馬鹿にして中傷するネタをやらさせる。その人が嫌がっているのに丸坊主の強要までした」
という壮絶パワハラのほか、「フルタイムで働いていてもパートには雇用保険、社会保険、有給休暇がまったくない。その上、飲み会や会議への出席の強要だけはしっかりある」という告発もある。
事業所内に訴える先がない場合には、まずは行政への告発を考えたい。厚生労働省が設置している「総合労働相談センター」や、法務省が設置している「みんなの人権110番」「女性の人権ホットライン」などで相談窓口を設けている。
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