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DV疑惑のNASCAR元王者、刑事告発は免れるも参戦停止処分は継続

2015年03月06日 18:10  AUTOSPORT web

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元恋人に対し暴力をふるったとして、警察の捜査を受けていたカート・ブッシュ。今回、刑事告発は免れたものの、NASCARへの無期限参戦停止処分は下されたままとなっている。
NASCARスプリントカップ・シリーズに参戦しているカート・ブッシュが、元ガールフレンドのパトリシア・ドリスコールに暴行を加えたとされている事件について、デラウェア州司法長官はブッシュを刑事告発しないことを発表した。

 司法長官は声明文で、「事件に関する情報を基に慎重に捜査を進めた結果、ブッシュ氏が昨年9月26日に元恋人に対し暴力を加えたと疑う十分な証拠や証人をみつけることはできなかった」と述べている。

「確実な証拠がある場合のみ犯人を起訴するというのが、検察官の基準だ。今回の事件では、この基準が満たされないため刑事告発は行われない」

 この発表に対しブッシュは、許可が降り次第すぐにマシンのコックピットに戻りたいと語った。

「捜査を行った結果、刑事告発をしないと判断したデラウェア州の検察官に対し、とても感謝している」

「当初から述べている通り、私は家庭内で暴力をふるってはいない。できる限り早くレースに復帰して、人生の新たな一歩を踏み出したいと思っている」

 ブッシュの復帰に、どの程度時間が掛かるかは不透明なままだ。先月、デラウェア州の家庭裁判所がドリスコール側の要求を認める評決を下して以降、NASCARはドメスティック・バイオレンスの専門家と協力し、ブッシュの無期限参戦停止を決定している。

NASCARは発表した声明文の中で「(ブッシュは)復帰のために更生プログラムへ参加することを承諾し、プログラムにも積極的に参加している」と語っている。

「ブッシュがNASCARに復帰する資格があるかどうかは、このプログラムの進捗状況とNASCARルールブックに照らしあわせて総合的に判断する。刑事告発されなかったからといって、即座に復帰できるわけではない」

 ドリスコール側は、今回の決定に対し失望しているとのコメントを発表した。

「事件の捜査を見守っていましたが、正しい判断が行われなかったことに失望しています。私と家族の唯一の慰めは、デラウェア州家庭裁判所が保護命令を発令してくれたことです」

 ブッシュが所属するスチュワート・ハース・レーシングは、ブッシュに参戦停止処分が下されたあと、41号車のドライバーにリーガン・スミスを登録しデイトナ500に参戦。17番手でレースを終えた。スミスは今週末のラスベガス戦にも参戦する予定となっている。