石井岳龍監督の新作映画『ソレダケ / that's it』が、5月27日から東京・新宿シネマートほか全国で順次公開される。
石井監督にとって、2001年に公開された『ELECTRIC DRAGON 80000V』以来の「ロック映画」になるという同作は、bloodthirsty butchersの楽曲を全編に配した作品。戸籍を奪われて社会の底辺に暮らす大黒砂真男が、現状から抜け出すための最後の手段として、裏社会の調達屋のコインロッカーを破壊して財布を奪ったことをきっかけに、やがて自らの宿命を知るというあらすじだ。
大黒役を演じるのは、同作で石井監督と3度目のタッグを組む染谷将太。また、コインロッカーに家出人やホームレス、破産者、風俗嬢たちの個人情報が詰まったハードディスクを隠し持っていた調達屋・恵比寿大吉役を渋川清彦、恵比寿に監禁されている風俗嬢・南無阿弥役を水野絵梨奈、大黒と阿弥が助けを請う猪神楽彦役を村上淳、大黒を拷問する謎のギャングのボス・千手完役を綾野剛が演じる。
なお同作は、2013年に逝去した吉村秀樹(Vo,Gt)から生前にラブコールを受けていたという石井監督が、吉村の死後に同バンドの楽曲から着想を得て完成させたもので、タイトルはbloodthirsty butchersの楽曲名からとられている。