映画『ナオトひとりっきり』が、4月18日から東京・新宿のK's cinemaで公開される。
同作は、福島第一原子力発電所から12キロメートルの場所にあり、原発事故のよる全町避難で無人となっていた富岡町で、殺処分を拒否した畜主から預かったダチョウや牛、猫、犬、イノブタの世話をしながら1人で暮らす55歳の男性・松村直登の1年間を追ったドキュメンタリー映画。畜産や動物愛護とは無縁の建設業に就き、福島第一・第二原子力発電所の建設にも関わった経験を持つ松村が、放射能に汚染された町に自分の居場所を見出し、動物たちの生死を見つめながら暮らす様子が捉えられている。
メガホンを取るのは、『ハリヨの夏』や静岡・浜松に住む日系ブラジル人の若者たちを描いたドキュメンタリー映画『孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて』などの作品で知られる中村真夕。中村は、「放射能汚染をされていても、そこに生きる人、そしていきものたちのいのちは穢れないものなのではないか?」という問いかけを胸に、同作の撮影に臨んだという。また、大林宣彦監督『転校生 さよならあなた』、安藤桃子監督『0.5ミリ』の主題歌を手掛けた寺尾紗穂が、音楽を担当している。
また、クラウドファンディングプラットフォームの「MotionGallery」では、3月9日まで同作を全国公開するための資金募集プロジェクトを実施中。なお、同作のオフィシャルFacebookページでは、谷川俊太郎やピーター・バラカンらが同作に寄せたコメントが掲載されている。