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スバルWRX STIニュルブルクリンク24時間挑戦車が富士でシェイクダウン

2015年03月04日 20:10  AUTOSPORT web

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富士スピードウェイでシェイクダウンされたスバルWRX STI NBRチャレンジ
3月4日(水)、富士スピードウェイにて2015年のニュルブルクリンク24時間レースに出場する『スバルWRX STI NBRチャレンジ』のシェイクダウンが行われた。

 スバルは近年、WRX STIの開発の場として毎年ニュルブルクリンク24時間に挑戦しており、今季もクラス優勝を目指して1台のWRX STIを送り込む。すでに1月の東京オートサロンで公開されたWRX STI NBRチャレンジだが、この日はシェイクダウンテストに先立ち、STIから今年の同レース挑戦計画の説明が行われた。

 出場車の開発を指揮した辰己英治STIチーム総監督は、「2012年以来SP3Tクラス優勝から遠ざかっているが、今年は昨年のレースが終わった直後からプロジェクトを立ち上げ、何が足らなかったかを徹底研究した」と今季に向けて語った。

「タイムロスの要因は、黄旗追い越しでペナルティを受けたり、他車とのコンタクトなど色々あったが、すべてがドライバーの責任とは言い切れない。例えば、ポストで振っているフラッグが見えなかったのはクルマに死角があったのではないか、クルマ側にコンタクトを避けられなかった原因があるのではないかなど、色々と議論した」

「その結果、コンペティターのほとんどが左ハンドルであり、我々だけが右ハンドルの異質な存在であることに気づいた」と辰巳監督。そのため、今季のWRX STI NBRチャレンジは左ハンドルが採用されている。

「もちろん改良改善はそれだけでなく、目に見えないものを含めて多岐にわたっている。基本はスバルの量産車技術とSTIのコンプリートカー開発技術を駆使し、ロードカーの開発エンジニアたちが力を出し合ってレースマシンを作り上げている。そこがこのプロジェクトのポイントであり、不変のもの」と続けた。

 午前11時間から1時間の占有走行時間では、佐々木孝太のドライブでテストが進められた。栃木県のスバル社内テストコースですでに走り込みを重ねているこのマシンは、大きなセッティング変更も行われず、精力的にマイレージを重ねていった。

 マシンを降りた佐々木は「まだギアボックスの変速ショックが大きく、挙動にも影響があったりしますが、それは対策ができるそうです。最初の印象としては、前後方向の車体剛性が上がり、前輪と後輪の連続性というか、一体となって動いていてAWD車の良さがより活かせる方向になっていると感じました」と印象を語った。

「また、フロントノーズの入りが良くなっています。まだ、少し不安定な部分は残っていますが、空力やサスペンションを煮詰めていけば解決すると思います。全体的には運転しやすい仕様に仕上がっています。また、富士は右コーナーが多いので、左ハンドルは思いの外違和感がなく、むしろ乗りやすいですね」と語っていた。

 今年のWRX STI NBRチャレンジは、このあと国内で走行テストを行って細部にチューニングを施し、3月中旬にはドイツに向けて輸送される予定。その後、4月上旬に現地で行われるクォリファイレース、同月末のVLNレースに出場して、最終的なセッティングをフィックスして5月の決勝レースに臨む。