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アウディ、新GT3カー『R8 LMS』を公開。2015年に24時間レースに参戦開始

2015年03月04日 01:50  AUTOSPORT web

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アウディスポーツが公開した新R8 LMS。現行R8 LMSウルトラに比べ、外観上も大きくリファインされた
アウディスポーツは3日、ジュネーブモーターショーで公開予定の新FIA-GT3規定レーシングカー、アウディR8 LMSを公開した。

 世界中の幅広いカテゴリーで活用されているFIA-GT3規定は、各国の自動車メーカーから多くのモデルがリリースされているが、初代R8 LMS/R8 LMSウルトラを世界中で130台以上を販売してきたアウディは、市販のR8がモデルチェンジしたことにあわせて、新たなGT3カー『R8 LMS』を生み出した。新型R8 LMSは、2016年に導入される新基準を大幅に満たす安全性、軽量化を実現しているという。また、空力性能も大幅に改善された。

 安全性については、車両前後に装着されたCFRP製のクラッシャブルストラクチャーにより、LMP1カーのアウディR18 e-トロン・クワトロと同等の衝突テスト基準をクリア。さらに、シートもアウディプロテクション・シートPS1を採用。剛性を増したシャシーに固定される。

 また、DTMドイツツーリングカー選手権/スーパーGT500クラスでも採用されている、ルーフ上の救出用開口部を設置。これにより、万が一の際にドライバーの脊椎を痛めないように救出が可能になる。GT3カーではドライバーの乗降が必要なケースが多いが、同様に高い安全性をもつステアリングコラムとクイックレバーシステムで、多くのドライバーのポジションに対応する。

 さらにアウディ・スペースフレームの採用と構造の見直しにより、さまざまな安全性の向上を実現しているにも関わらず、現行車の1250kgから1225kgまで軽量化したという。

 とは言え、新アウディR8 LMSは技術的、あるいは経済的な観点から、多くの部分で市販車と同様のパーツが使われているという。例としては、5.2リッターV10エンジンは市販のユニットとほぼ変わらないものが使用される。通常のレースでは、エンジンのリビルトは20,000kmごとで予定される。

 駆動系については、新開発の6速パドルシフトミッションを採用。エンジンエレクトロニクス、トラクションコントロールも一新。プロセッサもより高速な処理を実現されたものが採用された。

 空力も見直され、フロントには巨大なフリックボックスを備えるほか、ディフューザーも大型化。コクピット内のエアフローもドライバーの環境を向上させるべく改善されたという。また、リヤウイングもドラッグを増やさないものに変化した。

 新アウディR8 LMSは、2015年のニュルブルクリンク24時間、スパ24時間にデビューすることが決まっているという。その後、2015年後半にカスタマーからの注文を受け付け、2015年内にカスタマーへデリバリーされていく。