カズオ・イシグロの新刊『忘れられた巨人』が、4月下旬に刊行されることがわかった。
1989年に発表された長編小説『日の名残り』で『ブッカー賞』に輝いた日系イギリス人作家のカズオ・イシグロ。これまでに『日の名残り』『わたしを離さないで』が映画化されたほか、昨年には蜷川幸雄演出、多部未華子主演の舞台『わたしを離さないで』が日本で上演された。また短篇集『夜想曲集』をもとにした東出昌大主演の舞台が、5月11日から東京・天王洲の銀河劇場で上演される。
3月3日に本国イギリスで刊行される『忘れられた巨人』は、イシグロにとって2005年の『わたしを離さないで』以来、約10年ぶりの長編小説。息子を訪ねて謎の霧が広がる荒野を旅する老夫婦の姿をはじめ、記憶、愛、復讐、戦争などを描いた作品だという。日本語訳はこれまでもイシグロ作品を手掛けてきた土屋政雄が担当。
なお同作の刊行を記念して、イシグロの来日を6月に予定。早川書房によるトークイベント『ハヤカワ国際フォーラム』にも出演予定だという。続報は早川書房のオフィシャルサイト「ハヤカワ・オンライン」で確認しよう。