ニッサンGT-R LMニスモのドライバーとして発表されたアレックス・バンコムとマックス・チルトン ニッサン/ニスモは、WEC世界耐久選手権/ル・マン24時間のLMP1クラスに投入するニッサンGT-R LMニスモのドライバーとして、元F1ドライバーのマックス・チルトン、そしてニッサンドライバーのアレックス・バンコムの起用を発表した。
ニッサンは今季、GT-R LMニスモと名付けられたFFレイアウトの車両で、スポーツカー耐久レースの最高峰カテゴリーに16年ぶりに参戦。ル・マンには3台目のマシンも投入することを明らかにしており、これまでマルク・ジェネ、ミハエル・クルム、ヤン・マルデンボロ、オリビエ・プラ、ハリー・ティンクネル、松田次生、ルーカス・オルドネスの7名の起用を発表していた。
今回ニッサンは、今月開幕するジュネーブ・モーターショーに先駆けて、残る2名のドライバーを発表。2013年~14年とマルシャでF1を戦ったチルトン、そしてGTアカデミーの指南役も務めるなど経験豊富なバンコムの起用を明らかにした。
チルトンは、F1デビューイヤーとなった13年シーズンにシリーズ全戦完走を達成。ニッサンは今回の発表の中で「速さを兼ね備えたミスのない走りは現在のLMP1には欠かせない要素」とその実力を高く評価している。チルトン自身も「ル・マンは本当にやりがいのある挑戦だし、ワークスドライバーとしてあのレースを走ることはまたひとつ夢が実現したようなものだよ」と喜びを語る。
「僕は常に最高レベルでレースをすることを目指しているんだ。ニッサンGT-R LMニスモに投入された技術は、F1のマシンと同じくらい優れている。チームのみんなに会って、このプロジェクトにかける思いや情熱を目の当たりにしたんだ。コースで走る日が待ち切れないね!」
またバンコムは、ニッサンドライバーとして、GTアカデミーが開始された2008年から同プログラムの指南役を担当してきた。“ニッサンの秘密兵器”とも称され、ブランパン耐久シリーズやイギリスGT選手権などに参戦。2013年には、JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUPでスーパーGT300クラスに参戦し、首位を争う活躍も見せている。
「まさに夢が実現したような思いだよ」とバンコム。
「連絡を受けた時は衝撃が大き過ぎて、これまでにないくらい顔から笑みを消すことができなかったんだ。GTアカデミーの指南役を務めてきたことが報われたよ。特にルーカスやヤンのようなドライバーが成長したことは本当にうれしく思っているけど、今度は僕が彼らとともにニッサンGT-R LMニスモでル・マンに参戦するんだからね!」
ふたりの起用が発表されたことで、今季のGT-R LMニスモのドライバー9名がすべて決定。ル・マン24時間に投入される3台目のGT-R LMニスモ(21号車)のドライバーには、松田/オルドネス/バンコムがラインナップされている。残る6名は、4月の開幕戦から22号車、23号車をドライブすることになるが、その組み合わせに関してはまた後日発表されるということだ。
なお、22号車か23号車をドライブすることになるクルムは今季、スーパーGT500クラスにも第4戦富士から参戦することが発表されているが、WECのニュルブルクリンク戦、オースティン戦、上海戦は、SGT第5戦~第7戦とバッティングしている。そのため、WECでクルムが乗ことになる車両は、ニュル/オースティン/上海の3戦に関してはドライバーふたりで戦うことになると見られる。