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「ジハーディ・ジョン」正体はMI5がスカウトに失敗した元プログラマー?

2015年03月02日 14:51  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

「ジハーディ・ジョン」正体はMI5がスカウトに失敗した元プログラマー?

IS(通称、イスラム国)の公開する処刑動画で、度々処刑人として登場している二つ名「ジハーディ・ジョン」(聖戦士ジョン)。これまでその正体は元ラッパーの男性と噂されていたが、2月末の米ワシントン・ポストや英BBCの報道によると、別の人物が特定されたという。


【元の記事はこちら】


■ジハーディ・ジョンとされる2人の人物


ジハーディ・ジョンの正体については、2月中頃まで英メディア始め、複数の海外メディアでは、2013年頃までロンドン西部に住んでいたヒップホップアーティストで、ISにその後合流したとされる「アブデル=マジェド・アブデル・バリー」だと報じられていた。


ところが2月下旬、ロンドン西部に住んでいたプログラマーの「モハメド・エンワジ(Mohammed Emwazi)」(27)と、英BBC始め複数が今度は断定的に報道。一気に確定として扱われている。


■モハメド・エンワジという人物


新たに名が挙がった「モハメド・エンワジ」とは一体どのような人物なのか。


報道によると、彼はクウェート出身のイスラム教徒。湾岸戦争後の6歳の頃、家族でイギリスに移住し、スポーツやゲームに熱中する普通の少年だったという。
ロンドンのウエストミンスター大学では、コンピュータ・プログラミング学士を取得。卒業後は、IT企業に就職したこともあったそうだ。


当時の彼を知る人物らは一様に「好青年」で「おとなしい人物」と評している。ただ「ジハーディ・ジョン」と彼については、また一様に「姿や声がとても良く似ている」とも語っているそうだ。


■MI5からのスカウト―不自然なほど少ないネット上の履歴


彼がISに合流したとされるのは、2012年。
ISに合流する数年前から、英情報機関(MI5)の監視対象になっていたと言われており、その処遇について一時は人権団体に助けを求めていたようだ。
しかし、一方ではMI5からスカウトを受けていたという話も出ている。


そんな状況下にもかかわらず2012年、監視をかいくぐりシリアへと到着。直後にISに合流している。


今回、「ジョンと特定した」とかなり強い調で報じられている割りに、彼の写真は驚くほど出てきていない。


理由の一部に、これだけのインターネット社会にもかかわらず、彼がジョンであると報じられる2月下旬時点まで、「モハメド・エンワジ」の検索結果が殆どなかったことにあるようだ。
そのことについて一部海外メディアは、「不自然なほどに情報が少ない」とし、「意図的か」と報じているところもあった。


ちなみに、「ジハーディ・ジョン」という名の由来については、既に広く知られているが、念のため補足しておくと、ジハーディ・ジョンに英国訛りがあったことから、英国の代表的ロックバンド「ビートルズ」のジョン・レノン氏からとり、そう名付けられたと言われている。
同じ英国訛りをもつメンバーには、他にも、ビートルズから、ジョージ、ポール、リンゴと名付けられた者もいるらしく、メンバー内でのリーダー格は「ジョージ」という話もある。


■結局のところ公式発表ではない


モハメド・エンワジの「ジハーディ・ジョン」説については、今回「特定した」「断定した」と強く報じられている。


以前のアブデル=マジェド・アブデル・バリーの際には、「という可能性が高い」「と言われている」「と噂されている」と、どこかボンヤリ感があったが、今回は「米英治安当局筋からの情報」として、自信満々に伝えている。
ただ、これらはいずれにしても関係機関からの公式発表ではないので、結局のところは確定ではない。


また「ジハーディ・ジョン」については、昨年11月の大規模空爆で既に死亡している。という説もあり、生死自体も定かではないと伝わっている。