WRC世界ラリー選手権のプロモーターによれば、来季WRCのカレンダーに中国ラウンドを復活させることにプライオリティを置いているという。
中国では、1999年以来のWRCの開催はない。また東アジア圏では2010年にラリージャパンが終了して以来開催はないが、中国の首都北京に近いエリアにヘッドクオーターを置く形でのラリーが今季開催され、2016年のWRC開催に向け視察されることになるという。
WRCに参戦するマニュファクチャラーにとっては、中国は重要なマーケットであり、最も復活が望まれる国で、WRCのプロモーターを務めるオリビエ・チエスラは来季開催を目指していると明かした。
「中国は現在の我々の目的のひとつだ。我々は実現に向けてたくさんのことを投資しているんだ。ここまで我々が成し遂げてきたものにより、中国のスポーツ連盟が2016年のWRCラウンド開催に向け用意を進めているのを見ることができる」とチエスラ。
「我々はこのイベントが商業的に成功するように、連盟を支えている。今季、このイベントをWRCの候補にすることが目的だ。これにより、2016年のカレンダーに我々が提案することができる。時間的にはもちろん野心的な挑戦だ。だけど、これは我々のプライオリティなんだ」
チエスラはまた、トヨタが2017年からWRCに復活することにより、日本での開催復活がより現実に近づいていると明かした。ただ、かつて帯広、札幌と北海道を舞台にしたような形ではなく、本州での開催になるだろうとしている。
トヨタ自動車の豊田章男社長は、WRC復帰に向けた会見の際に、日本での開催について「色々な世界の道を走ることが、自動車産業発展のためにも望ましい」と語っている。英AUTOSPORTの情報筋は、トヨタの本拠に近い場所(新城?)が候補地だとしている。
「東京の近くでは、現実的に良質なグラベルラリーを行うことは不可能だ。それに、WRCではこれ以上選手権においてターマックを加えることを望んでいない」と情報筋は語る。
「それに、可能性としては北海道は日本の中心部から遠すぎる。札幌でさえもマーケットとしては小さすぎるだろう」
チエスラは、「我々は日本と接触している。トヨタがWRCに加わることによって、非常に魅力的であり、我々の“レーダー”の中に入っている」という。
「いいタイミングとしては、トヨタが復帰する時だろう。それは2017年か、2018年だろうね」