フランスのレーシングチーム/マニュファクチャラーのオレカは24日、今季から供給を開始するクローズドLMP2『オレカ05』の新たな画像を公開するとともに、その開発コンセプトなどを明らかにした。マシンは来週にも初テストを行う予定だ。
長年スポーツカーレースの分野でレーシングチームとして活躍してきたオレカだが、現在はレーシングカーマニュファクチャラーとしても存在感を発揮。2011年から供給を開始したオープントップ型のオレカ03は、多くのチームからの信頼を受け、LMP2クラスで数々の戦績を挙げている。
そんなオレカが2015年シーズンに向けて開発したのが、クローズドタイプのLMP2車両、オレカ05だ。すでに先日、マシンのディティール画像が公開されていたが、今回はマシンの開発コンセプトなどとともに、新たな画像も公開されている。
オレカによると、今回のオレカ05は、現行のLMP2車両規定を満たすだけでなく、安全性を含めて将来を見据えた設計がなされているのだという。
マシンの幅は、ライバルたちが採用する2000mmよりも小さい1900mmに。これは、現在のLMP1車両と同じサイズで、2017年から導入される予定の新たなLMP2車両規則を見据えての選択だ。これにより、新規定導入以降も、パーツなどのアップグレードのみで対応できるようになる見通しだ。オレカとしては、新規則導入までの2年間だけでなく、2020年まで戦えるポテンシャルを見込んでこのオレカ05を製作。このことで、使用チームがマシンを売却する際にも、より高価で取引できるようにもなることも見込んでいる。
安全性の面では、アクシデントの際にパーツがマシンを突き破ってシャシー内に侵入することを防ぐため、複数箇所にザイロン製のパネルを採用。現在の車両規則では義務付けられていないものの、真の安全を求めてこうした処理を行っているという。
もちろん、オレカ03では“弱点”となっていた部分も改良。パワーステアリングシステムが電動となったほか、スターターなどにも改良が加えられている。また、コンパクト化された最新のギヤボックスケーシングを採用しているほか、サスペンションも一新され、空力もさらに追求されている。ほかにも、マシン全体のセッティングを容易にするため、ピッチ感度にも重点が置かれている。
オレカでテクニカルディレクターを務めるデイビッド・フロウリーは「オレカ03は大成功を収めており、その歴史はまだ終わってはいない。オレカ05の目的はその勢いを維持し、我々のミッションでもあるル・マンでの勝利を挙げるためのものなんだ」と語っている。オレカとしては、2016年前半には北米への投入も目指しているという。
このオレカ05は今季、WEC世界耐久選手権に参戦するKCMGと、ヨーロピアン・ル・マン(ELMS)を戦うティリエ・バイ・TDSレーシングが採用している。マシンは来週にも初テストが行われる予定となっている。