トップへ

F1現地直送:謎が多いアロンソの事故、母国スペインでの反応は?

2015年02月24日 11:20  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

アロンソの事故を報じるスペイン各紙
バルセロナ合同テスト最終日に起きたフェルナンド・アロンソの事故から一夜明けて、地元スペインでは、どのようにこのニュースが報じられているのだろうか。

 地元紙の朝刊は、多くが一面にアロンソの事故を報じる見出しを立てているが、一面ニュースとして扱っているのは地元カタルーニャの地方紙『el Periodico』一紙のみ。その他の新聞は一般紙・スポーツ紙いずれも詳細はスポーツコーナーもしくはF1コーナーの記事として報じている。すでに本人の身体に大きな問題がないことが伝わっていたこともあり、冷静な報道に徹したようだ。

 事故発生時の状況や原因の分析といった詳細レポートを報じているのはスポーツ紙のみ。『MUNDO DEPORTIVO』紙は「大きな衝撃」という見出しとともに搬送の様子を捉えた写真とともにエリック・ブーリエ、アロンソのマネージャーであるルイス・ガルシア・アバド、そして直後を走行していたセバスチャン・ベッテルらの証言を伝えている。

『MARCA』紙はアロンソ車の動きをイラストで描くとともに「空白のアクシデント」と事故の不可思議さを見出しで伝え、アバドの「強風の影響ではないか」という言葉や「不思議な事故だった」というベッテルのコメントを紹介した。

『as』紙も図解入りで事故を解説、「病院で経過観察を受けているが『身体に問題はない』とマネージャー」と報じている。各紙とも事故当日の締切時点では事故原因の詳細が明らかになっていなかったこともあり、事故発生の過程や関係者のコメントを淡々と伝えている印象だ。スポーツ面でも、スペインでは人気の高いサッカーが大きな扱いとなっており、F1は“その他”のトップ扱い。母国のスタードライバーの事故と病院搬送という事態に大騒ぎという雰囲気ではない。

 テレビでもニュース番組の一部としてアロンソの事故が報じられているが、やはりスポーツニュースのひとつといった扱い。それでも事故当日はアロンソが搬送されたバルセロナ北部近郊の総合病院に多くのメディアが詰めかけて、アバドの会見の様子をサーキットでの現場写真とともに伝えた。アバドは和やかな表情で検査後の経過を語っており、深刻な状況でないことが窺えた。翌日には、病院を訪れた家族の姿なども報じられている。

 まだアロンソ自身は病院に留まって経過観察が続けられている。地元メディアとファンに混乱はなく、冷静に事態を受け止めているようだ。そして、一日も早いアロンソの回復とコース復帰を願う気持ちはみんな同じだろう。

(米家峰起)