NASCARスプリントカップ・シリーズは22日、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開幕戦デイトナ500が行われ、ジョーイ・ロガーノ(フォード・フュージョン)が優勝。今年で57回目を迎えた伝統のレースでの初勝利を飾った。
今年も全36戦で争われるNASCAR最高峰のスプリントカップ・シリーズ。シリーズ開幕戦となるデイトナ500に向けては、スプリント・アンリミテッドと題されたエキシビション戦をはじめ、今年からノックアウト方式に改められた予選、そして予選レースのバドワイザー・デュエルを経て、22日に決勝が行われた。
優勝したロガーノは、5番手からレーススタート。終始上位争いを展開し、グリーン・ホワイト・チェッカーでの残り3周の走行中に首位を奪取する。ただ、レースはその後、ジャスティン・アルガイヤー(シボレーSS)のクラッシュにより一時赤旗中断となる。
最後は再びグリーン・フラッグ・チェッカーのもとでリスタートに。首位のロガーノは、後方から昨年王者のケビン・ハービック(シボレーSS)やデイル・アーンハートJr.(シボレーSS)の追撃を受けるも、首位を堅持。最終周となる203周目にはバックストレートでクラッシュがあり、最後はイエローフラッグが振られる中でロガーノがデイトナ500初制覇の栄冠を手にすることとなった。
レース後、歓喜に沸くビクトリーレーンにマシンを止めたロガーノは、マシンから上体を出した直後から、チームクルーたちに文字通り“勝利の美酒”を浴びせられることに。自身も大きなガッツポーズを見せ、喜びを大爆発させた。インタビュアーにも「本当に最高だよ! デイトナ500だ! オーマイゴッド! 嘘じゃないよね?」と興奮しながらまくしたてたロガーノ。これまでデイトナは苦手としており、過去の最高位は2012年にマークした9位だった。
「レース中はずっと、かなり神経質になっていたんだ。僕らはオフシーズンにかなりハードに作業を進めてきたけど、このスーパースピードウェイは僕が一番苦手なコースだからね」とロガーノ。
「これ以上の誇りはないよ。信じられないね!」
2位には、最後までロガーノを追うも届かなかったハービック、3位には昨年この伝統のレースを制したアーンハートJr.が入り、42番手スタートから追い上げたデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)が4位につけている。
一方、今季限りでカップ・シリーズへのフル参戦を終えることを発表しているジェフ・ゴードン(シボレーSS)は、ポールポジションからスタートすると、序盤100周の中で75周をリードするとともに、レース全体でも87周を牽引するなど衰えぬ速さを披露。4度目のデイトナ制覇を狙ったが、リスタートで順位を落とすと、最終周には混戦の中で他車からの接触を受けてスピン。最後は33位でレースを終えた。とはいえ、本人はレースを楽しめたのだと振り返った。
「どうしてか僕はまだ笑っているし、今回はすべての瞬間を楽しむことができた」とゴードン。最終周のアクシデントについても次のように語った。
「誰も悪くはないよ。僕らは激しく争っているところだったんだからね」
なお、カート・ブッシュ(シボレーSS)、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)の兄弟ふたりは、今回のレースを急きょ欠場する形となった。
兄のカートは、元交際相手への暴力行為によりNASCARから無期限の参戦停止処分を受け、リーガン・スミスが代役で出場することに。また弟のカイルは、21日に開催されたエクスフィニティ・シリーズ(昨年までのネイションワイド・シリーズ)でのレース中に激しくクラッシュして右脚を複雑骨折。マット・クラフトンにステアリングを託すことになった。なお、カイルの復帰時期に関しては未定だということだ。