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NASCAR元チャンピオンのカート・ブッシュ、無期限の参戦停止処分に

2015年02月22日 15:30  AUTOSPORT web

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NASCAR最高峰のカップ・シリーズで2004年にチャンピオンを獲得し、その後もトップドライバーとして活躍してきたカート・ブッシュ。元交際相手に暴行を加えたとしてシリーズへの無期限の参戦停止処分が下された。
NASCARは20日、カップ・シリーズの元チャンピオンであるカート・ブッシュについて、元交際相手に暴行を加えたとして無期限の参戦停止としたことを発表した。

 2004年のシリーズチャンピオンで、その後も最高峰のカップ・シリーズでトップドライバーのひとりとして活躍してきたブッシュ。今季もスチュワート・ハース・レーシングからスプリントカップ・シリーズのドライバーとして名を連ね、22日に決勝レースが行われるシリーズ開幕戦のデイトナ500に向けて、エキシビションレースや予選でも走行を行っていた。

 ただブッシュは、昨年9月のNASCARドーバー戦の際に、モーターホームで元交際相手のパトリシア・ドリスコールに暴行を加えたとして警察の捜査を受けていた。そして、ドリスコール側がブッシュに対する保護命令を求めたことから、1月にデラウェア州の家庭裁判所で4日間の聴取が行われていた。

 この中でブッシュは、事件の1週間前に別れていたドリスコールが予告なくモーターホームに現れたため、追い払おうとして誤って彼女の頭部を叩いてしまったのだと主張。また、彼女が“訓練された殺し屋”だった、などの証言を行っていた。

 ただ、デラウェア州の家庭裁判所は20日、ドリスコール側の要求を認め、ブッシュに対する保護命令を発令。評決には、ブッシュが事件当時、ドリスコールの首を締めるとともに、「彼女の頭をモーターホームの壁に叩きつけた」と記されている。

 また、この評決ではブッシュの証言について「この事件に関する(ブッシュの)説明を信じることはできない。意味をなしておらず、法廷で採用されたその他の証拠の全体像からも真実でありそうにない」とされている。なお、今回の評決は民事的な手続きによるもので、現在のところブッシュに対する刑事告発は行われていないものの、この件に関する捜査は続くと見られている。

 NASCARはこれまで、ブッシュの暴行容疑に関して「慎重に注目していく」との立場をとっていたが、今回の評決を受けてブッシュを無期限の参戦停止とすることを発表した。このNASCARの裁定に対し、ブッシュは2度にわたって抗議を申し立てたものの、どちらも却下されている。

 また、ブッシュの所属するスチュワート・ハース・レーシングはこの件に対して「我々はNASCARの立場を理解しており、カート・ブッシュに対する決定を受け入れる」との短い声明を発表。デイトナ500の決勝レースには、ブッシュに代わりリーガン・スミスが参戦することになった。ただし、開幕戦以降のドライバーに関しては、現在のところ明かされていない。