バルセロナでのF1合同テスト初日、ウイリアムズの公式テストドライバー、スージー・ウォルフが登場したが、元チームメイトであるザウバーのフェリペ・ナスルと接触し、ふたりとも貴重な走行時間を失った。
19日の午後、アウトラップのウォルフとフライングラップ中のナスルがターン5で接触した。2台のマシンはグラベルに飛び出しダメージを負った。
前を走っていたウォルフは、自分は一切ラインを変えておらず、ナスルが突然アグレッシブな動きをしたと主張している。
「私は完全に自分のラインを保って走っていた。彼があれほどアグレッシブにやってくるとは思わなかった」とウォルフ。
「彼のリヤが私の左フロントにヒットした。私はすぐに彼のところに行って『一体何が起きたの?』と聞いたけど、彼は黙っていた。私も言葉を失ったわ」
「全くばかげてる。私はまっすぐラインを保って走っていた。それは確かなの。彼は私がどくと思っていたのか、いい形でコーナーに入りたかったのか、それは分からない。でも私があそこにいたのだから、普通にコーナリングすればよかったのよ」
ウォルフが後に謝罪したという説を否定したとCrash.netは伝えている。
「私が謝ったといううわさが出ているけど、謝ってなんかいない。だって謝らなければならないことなんて何もないと思うから。起きてしまったことだし、彼のことを非難するつもりもないし、彼も私を非難したりしない。でもあんな意味のないことが起こるなんてばかげていると思う」
一方のナスルは、ウォルフがスペースを開けたので譲ってくれるのだと思ったと述べている。
「ターン4で彼女に追いついた。彼女が右に寄るのが見えたから、僕が後ろから来ているのが分かっているんだなと思った」
「それでターン5へのブレーキングでイン側のラインをとったら、リヤサスペンションに大きな衝撃を感じた」
「僕が見えていたかと聞いたら彼女は『来ているのは知らなかった』と答えたよ」
ナスルは、ウイリアムズチームがウォルフに周囲の状況を知らせるべきだったかもしれないとも考えている。
「コース上にはたくさんのクルマが走っているから、前に誰がいて後ろに誰がいるのか、誰が速いラップを走っているのかを知っておく必要があるんだ」
2台とも修理が間に合い、コースに復帰することができたものの、ウォルフは油圧トラブルに見舞われ、ナスルはチームがデータに異常を発見したためマシンを止めることとなった。
ウォルフは86周を走行し1分28秒905で全体の10位、ナスルは79周の中で1分27秒307で5番手タイムを記録した。